ねんがんのガスヒーターをてにいれた

 ネットでポチッと買ってしまったドッペルギャンガーのカセットガスヒーターDG-01が到着。実はこれ屋外専用なのだが火鉢の火が落ち着くまでの暖を取るために購入。とりあえず今さっき1時間ほど使用してみたのでレビューなど。というかネットで調べてみたがそれらしいものがなかったので人柱報告。

 持ち上げるとアウトドア用だけあって軽い。かといってちょっとぐらいの風で倒れるほどではなく意外に安定性がある。ボディのほとんどがABS樹脂という強化プラスチック製なので、これじゃ融けちゃうんじゃないかと心配な作りなのだが、1時間ほど使っても金属部以外は熱くならない。取扱説明書に「ウッドデッキなど可燃物の上でご使用にならないで…」とあるが、底部の足も熱くならなかった。作りは大手メーカー製のような丁寧さはないが、それほど雑ってわけでもない。プラスチックの切り屑やらグリスが中にちょこまかついてるのはご愛嬌。

 メーカー推奨品のボンベがないのでカセットコンロ用のカセットボンベを装填。電池を使用しない昔の風呂釜や湯沸器のようにカチッと回して、火が落ち着くまでボーッと数秒押さえて点火。中のセラミックヒーターというハチの巣を細かくしたような陶器が真っ赤になるようツマミで調整。火を下げすぎるとボッボ音がして消えそうになるし、上げると今度は炎が上がりすぎてヒーターを傷めるのであんまり温度調整は効かない。でも小さな割にはなかなか暖かいし、何よりガスストーブの長所「暖かくなるのが早い」のがいい感じ。動作音はわずかに「ヴー」とするが、私が使っているPCよりは小さいし耳障りな音でもない。

 このヒーターには4つの安全装置がついているので振動や風でガスが止まる。持ち上げただけじゃ消えないが、本体を斜めに傾けるとカチッと止まる。試しに口でフッと吹いて消したらカチッと鳴ってガス臭もしなかった。なお他の装置(圧力異常と不完全燃焼)については試すと命に危険が及ぶので試さなかったけれど。1時間ほどつけっ放しにしてみたが、ボンベ周辺が過熱することもないし部屋も暖かくなった。室内で使っても十分いけるんじゃないか、と思ってしまう(ていうか使ってますが)。

 だがここで注意したいのが燃料が主にブタンガスであるということ。一般的に家庭で使われるガスはプロパンガス。液化石油ガス(LPG)であることには変わらないのだが色々と特性が違う。特に家庭で使用するのに注意したいのが換気。ブタンはプロパンよりも燃焼時の熱量が高いのだが、同時に酸素もやたらに使う。長時間使うと酸欠や一酸化炭素(CO)中毒になりやすいのだ。鍋に使うなど少量使う分には問題ないが、何時間も使うと部屋の酸素を簡単に使い果たし、さらに二酸化炭素の酸素を奪って不完全燃焼。おかしいなと思ったらすでに中毒で足腰が立たなくなって、血中にその毒が回り死へまっしぐらという訳(COは空気中に0.15%あるだけで致死量)。ウチのように窓が未だ木枠でスキマだらけな上、天井にネコが開けた「換気口」まであるならともかく、換気施設が整った部屋か屋外でないとブタンガスの長時間使用は非常に危険なのだ。このストーブがしつこいぐらいに屋外専用とあちこちに印刷されているのと、カセットボンベの屋内用ストーブが売られていないのはそういう理由からだろう。

 またブタン(ノルマルブタン)は-0.5度で液化するため、一般的に売られているノルマルブタンが主成分のカセットボンベでは寒冷地に不向き。だからメーカーはプロパンやイソブタンなどを混合した専用ガスを推奨している。というか機器もそのガスに合わせてチューニングしているので、それ以外のガスで使うと故障するのは当然と思っていい。取扱説明書の注意っていうのはそれなりに理由があるもので、無視したいならば知識と自己責任能力を備えないとダメですよってこと。最近、自分の無知を武器にして、他人に責任取らせようとする人が多過ぎ。無知ってのは私に言わせれば罪悪。安全装置に頼るんじゃなく、それが働いたら使い方が間違っているということを自覚しないとダメですよ。

 ていうかそんなことより私の部屋が屋外用を使用しなければならないほど寒過ぎなのが問題。とりあえず天井の穴をふさがないと…