ツーリング その3

 ツーリング前日、会社の人にダムに行くことをうっかり漏らしたら、小鹿野にバイクの博物館があるとの情報を聞きつけた。バイクの森おがの。サイトを確認したら先日ロードレース大会が開かれたばっかりだったみたい。ううん、残念。でも温泉も併設しているというじゃないか。これは立ち寄らねばなるまい。

 埼玉県小鹿野町は昔からライダーがよく立ち寄る場所で有名とのこと(埼玉県人だけど知らんかった)。最近は町おこしとして町全体でバイクに力を入れているらしい。今回はあまり時間が取れないので、バイクミュージアムだけを目当てに寄り道。浦山ダムや秩父市街からもそんなに遠くなく、ライダー歓迎&「安全に走ってね」的な看板を何本か通り過ぎた先で発見。

 中世のお城のようなたたずまい。入場料1000円。バイク用品とかも割と手ごろな値段で売ってたので、在庫処分の皮手袋2000円も買ってしまった。私は旅のマナーとして、なるべく立ち寄ったところでお金を落とすようにしている。トイレ借りたらそこで缶コーヒーを買うとか、つつましい使い方だけどね。


陸の王者のお出迎え

Lツインじゃないモトグッチ

ヴィクトリアだって

 期待しないで来たのに名車珍車ばかりでお腹一杯。和製ハーレーダビッドソンの陸王や、ハーレーもショベルヘッドやパンヘッドも。聞いたことのないメーカーのものもいっぱいあったし。OHV好きにはたまらん。何よりもヴィンセントがあったのがウレシイ。このバイク、55年以上前に時速200キロ以上出した化け物なんだぜ! このまま乗って帰りたい。うう、たまらん。


貴族のバイク、ヘスケス

うはー、ヴィンセントだぁ!

もうね、藝術の域

 海外のバイク中心で、もはや個人所有などできない「博物館」レベルが百数十台。もうカンベンしてください。他の客が素通りする中、ヴィンセントの前で10分以上半笑いで激写していたのは言うまでもない。欠点はといえば博物館級過ぎて、若いライダーには全くこの価値がわからないぐらいであろうか。ていうか新しいものなど赤男爵で見れるだろ。


ランボールギーニのバイク?

メグロだー♪

お漏らしは猫トイレで

 もうね、メカ好きにはたまらん

 で、鼻水が出るほど名車をたんのーした後、その下の階の般若の湯という温泉にも入った(入浴料600円)。ていうか入口脇になんですか、このメッサーシュミット。隣にはシートを被せたあったがクラウザー・ドマーニと思しきタイヤが裾から見えるし。マニアでもない私をどれだけ翻弄させれば気が済むのか、小鹿野町。


ビモータの例の前輪

俺を萌え死にさせる気かっ

年寄りにはキツイ

 シビレた足を湯船でグリグリし、ミッキー・カーチスみたいな地元のおじいさんと露天風呂で談笑。風呂上がりに脇腹に手を当て、牛乳一気飲みはお約束。すぐ隣に高級な感じのレストランがあり、立て看板に小鹿野名物「わらじカツ丼(800円)」を見つけたので早めの夕食。午後5時前と時間が早すぎて貸切状態。ワイングラスで水を飲み、グランドピアノと英車ノートンに囲まれて丼をかき込む違和感。カツは5ミリ厚の豚カツが甘辛タレで2枚乗っかってて、若い頃ならたまんない味だったかもと思いつつ完食。

 走行距離測るの忘れてたけど、大体往復150キロ/5時間弱だったかな。帰ってきたら手はビリビリ、足もジンジン。明けて今日は腰がしばらく痛かった。ちゃんと鍛えないとね、カラダ。何はともあれ、ノントラブル。初ツーリングお疲れですた>SRX-4

ツーリング その2

 バイクが新しくなって装備も揃ったらツーリングでしょう常考。でも、いざどこへ行こうかと考えると、行きたい場所がないことに気づいて愕然。なんとなく世間じゃダムが騒がれているので思いついた。「そうだ、ダムへ行こう」(ナレーション:長塚京三)。そんなわけでWebで調べた結果、近場で一番でかい浦山ダムへ行くことに決めた。まとまった休みがないことが決定したので、昨日の夜勤明けにツーリング強行。
 前日は遠足気分でウキウキして午前2時まで寝れなかった。まあ走り出せばナントカなるさ。メシ食ってから軽く運行前点検して出発。真新しいブーツとヘルメットに違和感覚えつつ、いざ国道299号へ。
 平日なので通常の混雑。信号待ちの間に車の横をすり抜けつつ街を抜け、段々と山へ近づいてきた。思ったよりはアップダウンやカーブもきつくない、ゆったり走れるワインディングロード。ていうかダンプが多いよ、ダンプ。信号がめったにないのでなかなか抜けない。落としていく小砂利と排気ガスに若干イライラ。ようやく信号待ちで抜いたら後から来たリッターバイク(1000cc超のバイク)に抜かされて火が着いた。直線で差をつけられた分をコーナーで一気に縮め、S字でピッタリ後方につけてプレッシャーかけたらスッキリしたので横道逸れて渓流で昼食。ああ、なんか心が洗われるねぇ。


上流はダムじゃない

橋じゃないよ

高い所こわい

 秩父市街の渋滞を抜け、割と急勾配・急カーブな道を登る。やっぱり400はこういう道で余裕があるね。まだ慣れないSRXをエイエイと不器用に倒し込みながら浦山ダムに到着。思ったのと違って遠目はでかい橋みたい。しかし欄干の下を覗くとそびえ立つコンクリートの絶壁。でけえ、でけえよ。さすが日本第2位の重力式コンクリートダムだよ。高所恐怖症なのに上から見て独りでウヒャーとか小踊りしながら、今度は下から見上げてみる。観光用にエレベーターが開放されているので、それを使って下まで降りる。様々な展示物を抜けて外に出ると…


無機質感がイイ!(・∀・)

バリアフリーなのかな

なにこれこわい

 悪の要塞のようにそびえ立つ建造物。もうね、何か色々と超越してる感じ。すげえ、すげえよ、ダムでけえよ。作った人すげえよ。テンションが上がりすぎてセルフタイマーで自分を写したりと、普段やらないことまでやり始める。心残りは放流(ダムが排水すること)が見れなかったことぐらいか。
※注
右の写真はスケール感を強調するためにフォトショップで加工したものです(欧州新法案対策)。
 
 「地域に開かれたダム」というのが売りの浦山ダム。しかし「ウラちゃん」とか使い捨て感のあるキャラとか、なんかピントのズレてるお役所臭い展示物とか、すぐ横に併設された「うららぴあ」とか商売のやる気がない施設だったりもするので、観光地としては大いに疑問符。でも平日だというのに訪問者も少なくはなかったし、それぞれ楽しんでいた様子。近くまで来たら見てみる価値はあるかも。


さすがにピースは照れ臭い

もう少しヒネりなさい>ウラちゃん

ダム湖「秩父さくら湖」

 まあ、そんな感じで初のダム見学はダムマニアがこの世に存在することを納得せざるを得ないものとわかった。別に推進派でも反対派でもないけど、現場見ないで脱ダムとか言わないようにしなくちゃね。

 んで、次回後編へとつづく。