ヴァイオリンのはなし(後編)

 後半。会社からカキコ。

 さて習いに行くといっても当時実はピアノをすでに習いはじめていた。25歳からヤマハのポピュラーピアノに毎週通っていたのである。妹2人がピアノを習っているのを見ながら「おれもー」とは言い出せなかった子供時代。音楽には昔から興味津々だったのだ。自分で稼いで多少の余裕もできて、18万出してローランドのデジピを買い、柔軟じゃない指と五線譜に悪戦苦闘中。そんな状態で果たしてさらに他の楽器に手を出していいのか? などと悩んだのだけれど、いつまでも悩むのはキライなので、だったらもーやっちゃえー、と突っ走るのが私の悪いクセ。

 その頃のヤマハ音楽教室ではヴァイオリンを扱っていなかったため、他の教室を当たったら最終的には個人教授の講師を紹介してもらいレッスン開始。その人がバイク好きで意気投合したりして、そのうちピアノよりもヴァイオリンにのめりこみ、イエスタデイ・ワンス・モアの弾き語りがやっとできるか出来ないかのうちに辞めてしまってヴァイオリンに専念。その後、実家に戻っても数年通い続けて、子供と一緒にホールで発表会したり、オーケストラに誘われたりしてヴィオラのパートに参加したりしていた。だが転職やら病気やら色々あって公の場所でマトモな演奏をすることなく断念。いつかは再開したいと願いつつ、ケースに眠らせたまま数年の歳月を経ることとなってしまう。

 おととしぐらいから健康も取り戻し、精神的ゆとりを得てからついにその封印を解く時が来た。中断する前のドイツ製のセミアコ5弦やら、木曽鈴木の59年ものやら子供用1/2サイズやらクラリネットやらを買い集めたりする悪いクセが再発。ヤフオクを始めたらヴァイオリンの出物を見てウズウズしてしまい、結局ヤマハのサイレントを購入してしまうのである。そう、50k円も出したら再開しないわけにはいかないのである!

 でも肝心なのは「演奏」。以前はビブラート(弦を押さえる指を前後に揺らして音を震わせる奏法)がまがいなりもできていたのが、再開したら全くできなくなっていたのだ。さらに歳月は肉体も衰えさせていた。弾き始めるとカラダが悲鳴を上げる。5分も弾けずに腕が、肩が、指が痛くなる。そして翌日は猛烈に肩が凝る。ちゃんとレッスンを再開すればいいのだが、この状態では30分のレッスンにも耐えられそうにない。

 最近になってようやくカラダが慣れ、以前の(といっても音が出せる)レベル以上には回復。でも未だレッスンは再開していない。譜面を見ないでテキトーに音階練習してる程度なので、素人以下であることは変わらない。そんな中、去年うっかりヤフオクで一目ぼれして韓国製の装飾ヴァイオリンを30k円で購入してしまう。しかしネックが曲がって弦が指板に密着したジャンク。数年ぶりにアントニオさんにまたお金にもならない仕事を頼み、修理していただきまた30k円…

 初代77年中国製もネックの反りを直してもらわなくてはならないし…慢性金欠症候群は当分治りそうもない。

ヴァイオリンのはなし(前編)

 大事にしていたVTが、お庭で雨に濡れていた。ガソリン漏れは直すかナ? あ・と・で。つまんないmezzoです。とりあえずビニールテープ貼ってごまかしているが、もう脇から漏ってる模様。今度はガムテープで留めておくか…

 昨日から雨が続いている。基本ヒキコモリな人なのでそんなに不便は感じないけれども、日記のネタに事欠くのが困るところ。今、絵は描いているのだけれど、ここにはアップできない×x×絵だし。料理もせいぜいキッコーマン「うちのごはん」作ったぐらい(切って炒めるだけ)だし。無理矢理書けば何とでもなるが、それこそ半径5mの鬱日記。だったら書かなきゃいいじゃん、って自分でツッコミ入れたくなるけど、それだと世界に存在する推計78.9%のブログを否定しそうな気がするのでやめておこう。

 じゃあ、とこれまた半径1m(半径半径しつこいな)にあったコイツを話題にしよう。ヤマハ・サイレントヴァイオリン、SV-120 である。ヤフオクにて中古を送料込53,395円で半ば衝動買いのように購入。一応、毎日のようにキコキコと弾いている。プロフィールには書いていないが、一応mezzoはヴァイオリンを趣味にしている。ただ大っぴらに言うとモノ凄く巧いのかと誤解されたり「何か1曲弾いてみて」とか言われたりすると困るので言わないのだ。実際、謙遜ではなく何ひとつ満足に弾けないしorz

 ヴァイオリンを始めたキッカケは木の字の引越しを手伝ったとき、押入れから出てきた壊れたのを譲ってもらった十ン年前。これを「もったいない」と思ってタウンページを開き、ヴァイオリン専門店、松戸のアントニオさんに持っていったところ50k円程もかかってしまったからである。ちなみに言っておくが修理代金として破格の値段であることをアントニオさんの名誉のために書いておく。裏板にクラック(割れ)が10cm以上入り、弦は1本だけで駒はどこかにすっ飛び、中で魂柱がコロコロと転がっている状態であった上、そこに杉藤の新品の弓と中古のケースもついてこの価格だからだ。とはいえ、慢性金欠症候群のmezzoにとって50k円は痛い。50k円もかけたのに飾りモノにしておくなんて許せないのである。何せ50k円である、とにかく(しつこい)。

 そんなわけで1977年中国製ヴァイオリンを手にし、悪戦苦闘の日々が始まる。この頃は川口に下宿していたので、バイクを走らせて荒川の河川敷に現れてはキコキコ。しかし独学で習得できるほどこの楽器は甘くはない。教則本も入手しづらかったし、この当時はネットも普及していなかったから、情報が少なすぎる。いくら弓を動かしても、耳障りな音しか出せない。ムキーッとなって荒川に投げたくなることもしばしば。

 そんなわけで習いに通うことになるが…後半へ続く(ナレーション:キートン山田)