金のかかる趣味

 興味のない人にはまったくつまらないヴァイオリンの話が続くけれど、やはりヴァイオリンの話。

 先日アントニオさんに弦の交換もしてもらったのだが、おまかせで張ってくれたのはドミナントという弦。安物ではないが特別高価でもない、いわゆる「標準的」な弦である。一番細い(音の高い)E線の弦だけはゴールドブラカットというドイツ製のスチール弦。ドミナントのE線は明瞭さに欠けるので、よく使われる組み合わせらしい。ちなみに私はドミナント以外の弦をほとんど使ったことがない。

 色々とネットで調べてみると「インフェルドの青を張ったら音に輝きが」とか「オイドクサが伸びる伸びる」とか音色が良くなった悪くなったというレポートを見るが、楽器に合う合わないもあるらしいのでどれがいいかわからない。劇的に音が変わるパーツなので、こだわる人は何種類も張って捨てを繰り返して自分の好みの音を見つけるらしい。

 でも私は慢性貧乏症候群患者なのでおいそれとは換えられない。何せ、一番太いG線なんて1本2千円以上するし。それなりの弦は4本セットで7千円前後。高いのだと1万を超える。もし冒険してハズレだったりしたら…と思うとなかなか違う弦を試す気になれない。

 弦を替えるタイミングは人それぞれのようだが、ビンボー人が弦を替えるタイミングは磨耗して切れそうになる頃。でも昔ほど弦を切らなくなったので、何ヶ月も(下手すると何年も)そのままだったりする。一応ピラストロ社のトニカ(これまた標準的な弦)とか買ってはあるけれど、なかなか出番がない。

 写真は張替えの際に不要となった古い弦。2セット分あるけれど、考えてみるとこれ、全部で定価1万5千円以上使ったことになる。道理でビンボーに拍車がかかるわけだ。捨てるのがもったいないので、いつ張り替えたのか覚えてすらいないヤマハのサイレントに古いのを張り替えてリサイクル。