本日のレッスンというか色々

 画像は通称「鉄ミュート」と呼ばれる弱音器。深夜の練習などでヴァイオリンの音量を人の話し声レベルまで落とすために駒に差し込んで使うもの。響きが殺され、音程も微妙に狂うので、あくまで緊急用。思いっ切り弾くとビリビリ震えてコロンと落っこちる。結構重いので楽器に落としたら大変。以上、ヴァイオリン豆知識。

 本日のレッスンは課題の練習不足もあって実践より話が主。というか運指法の矯正について間違った方向に行っていないかの確認。とりあえず私の方法が間違っていなかったので一安心。変なクセをつける前に気づいてよかった。でもまだ腕が柔軟に動かせないので今日も風呂に入って脂汗を流しながら左腕、とくに手の甲の腱のストレッチを入念に。

 で、こないだの発表会の写真がカメラマンから届いたとのこと。欲しい写真の番号書いてお金払うって、小中学の遠足以来かも。でも昔と違うのはサンプル写真がネットでも見れるってこと。帰宅後アクセスして認証画面から入ったら自分が写っている写真が20枚ぐらいあった。自分を客観的に見て思う。

 なんだこのカッパハゲのデブ…

 あと表情のバリエーションありすぎ。口がひょっとこみたいになってたり、しかめっ面してたり、微妙に笑顔だったり。なんだこりゃ。うわあ、バカっぽい。

 先生とレッスン後の雑談で「自分を客観視する」というヴァイオリン上達のための恐らく最も重要な心がけのため、何枚か購入して来年に生かそう…

デフレの恩恵

 最近のお気に入り。韓国製の0.7%アルコールビール。業務用食品スーパーで1本78円也。安ッ。

 病気やってから体質的に飲めなくなったけれど、今年のような猛暑だとビールをゴクゴクいきたくなる。サントリーのファインゼロが一番旨いと思うが、何か品薄になってるみたいだし。他のノンアルコールはだいたい変な酸味が後味に残るし。

 風呂でヴァイオリンのために左腕をストレッチして汗を流し、上がったあとにゴキュゴキュするのが旨いっ。でも2本飲むと酔うのよね…どんだけ下戸なんだかorz

橋の下のヴァイオリン弾き

 その昔、私がヴァイオリンを手に入れた25歳ぐらいの頃は川口に住んでいた。音の出し方すらわからない状態で自分でも聞くに堪えない音だったから、なるべく人目につかないようにしたかった。荒川がバイクで10分も走らないところにあったので、よく車道の橋の下へ練習しに行った。その後一人じゃどうにもならないことに気づいてレッスンに行くようになったけれど、晴れた日の休日によく通ったものだ。

 それから十数年、最近になってまたヴァイオリンを持って橋の下に行くようになった。バイクで10分も走らずに行ける、やはり荒川の川原。隣の市へと跨ぐ県道の下で今日もレッスン帰りに練習してきた。

 近頃の自分の課題は「音色の向上」。どこかのサイトに「ff(フォルテシモ)が出せなければpp(ピアニシモ)も出せない」とあり、「裏板が鳴るような感覚」をつかむために音量を出す訓練をしている。だが家でこれをやろうと思うと、近所のこともあるので遠慮がちになってしまう。また指の押さえ方を変えたので指の感覚をリセットせざるを得なくなり、ピッチが安定しないので自分でも聞くに堪えない音になってしまった。

 なので全力フルパワーで弾くのには、誰もいない橋の下がちょうどいい。見通しもいいせいか、日陰はけっこう涼しい。風が強めで譜面は広げられないが、どうせ誰に聞かせるわけでもないし、ひたすら音階と開放弦ばかり全力練習。

 思い切りバカでかい音を鳴らすのが目的なので、音が裏返ったり、ガキッとかすごいノイズが出たり、弓をぶつけたりでこれまた聞くに堪えない。それでも小1時間も経つと腕の動きに正確さが出るのか自分でも「おお」と思う音色が出てくる。

 またこういうメチャクチャな弾き方をすると、家に戻って普通の音量で弾いた時に楽器が倍音豊かに響くようになる。楽器にもいい影響を与えている気がする(ぶつけるのは逆効果だが)。普段回さないと回らないエンジンになってしまうバイクと一緒なのだろう。その分、弓の毛と弦はすり減るだろうが、消耗品をケチってたらレースじゃ勝てない(誰に勝つんだよ)。

 しかし、同じ荒川で結果的に昔と変わらない事をしている私は本当に進歩ないな。

デフレの功罪

 最近粗食気味のせいもあって今日は急に旨いカレーが食いたくなった。行きつけにしていたカレー屋は閉店してしまったし、どこにしようかと悩んだ結果、川越の ボンディ (埼玉県川越市脇田町13-20)へ。

 ボンディは神保町に本店がある欧風カレー店。昔、古書街に毎週のように行っていた頃「たまにはゼータクするかぁ」と思ったときに行った店。自炊でカレーを作る時には目標にしていた味だったが、もう十何年と食っていないので記憶も薄れている。

 SRXで30分程度のプチ・ツーリング気分。丸広百貨店の裏の路地抜けた住宅街の中にあり、一方通行の道も小型車1台分の幅しかない。商店街のにぎわいからも外れているから地図がないとたどり着けない。

 店内は喫茶店風で昼飯時だというのに客が1人しかいない。普段ならチキンなのに今日はビーフカレー中辛(1,300円+大盛り150円)を注文。粗食のせいで肉が食いたいらしい。何せ値段が1300円からだし。コンビニの弁当すら高いと言って自前で弁当作る「弁当男子」が多発しているぐらいだから、せめてお得なランチメニューでも作らないとダメかもね。

 などと経営の心配をしながら待っていたらジャガイモの前菜が。そういえばこんなの付いてたわと思い出した。皮つきのまま丸ごと蒸したジャガイモ2個(小)にバターが添えられているだけなのだが旨い。しかしスプーンだと食いにくいな、って昔思ってたのも変わらない。

 ジャガイモを食べ終わる頃にカレーが。うわ、角切りの牛肉がゴロゴロ入っている。ご飯の上には細かくしたチーズが振りかけられており、こってり感が。そうそう、こんなだった、こんなだった。

 頭の上で♪を鳴らしながら一口カプリ。ンー、ンマイ♪ でもあれ? こんなだっけかな? 確かに旨いが記憶と違う気もする。食べ進めながら?と♪と汗を交互に出していくうち、残りの数口分で満腹感が…しまった、ジャガイモの存在を忘れていて大盛り分がツラくなってきた…。バターが入ったまろやかでコクのあるコッテリ系カレーだからなおさら。最後の方はもう意地で流し込む。ううう、ゲップ。食後にエスプレッソ(350円-100円割引き)を飲んで計1,700円也。

 いや、確かに旨いんだけど、1,700円の充実感はあったかというと正直ない。というより、昔は旨いカレー食うのにこの値段出さないと食べれなかったんだよね。しかし最近はデフレの影響で安くて旨いものがどこでも食えるようになってしまった。というか「安いけどマズイ」というカレーすら見かけなくなってきたし。平均点が軒並み上がってしまったんだろう。

 そんなご時世で昔ながらの手間暇かけて作ったカレーがお値段据え置き(ていうか昔より100円値上がりしてた)の状態なので、コストパフォーマンスが悪いと感じてしまうんだろうと思う。なんというか、勝手に頭の中で値段が2倍なら味も2倍という期待感ができてしまってたんだろう。コスト切り詰めて大量生産した製品と手作り品を比較するなんてナンセンスなのにね。うー、ゲップがさっきから止まらないが、やっぱきちんとスパイス調合して作られたカレーはゲップも違うね。

 などと岐路の間、ノドの奥から鼻腔に抜けていくナツメグの余韻を愉しみながら、SRXを飛ばして十数年ぶりの感触を取り戻すのであった。