ゴホンといえば

子供の頃は粉薬が苦手だった。オブラートを使っても粉薬を包むと大きすぎてオエッてなったものだ。それが社会人になってハタチ過ぎた頃に胃炎が持病になって、苦い粉末でも顆粒でもサラサラ飲めるようになった。「オレもオトナになったものよのう」と実感したものだ。

昨夜ずっと机に向かって絵を描いていたらのどがカラカラに。加湿器の水が切れてて湿度が30%ぐらいになっていた。今日ドラッグストアに寄ったら懐かしいものがあったので買ってみた。懐かしいと言ってもTVCMで「ゴホンといえば龍角散」と刷り込まれただけで一度も飲んだことはない。

スプーンで山盛りすくい、すぐ飲まないように舌で転がすと説明書にある。フタを開けると案の定というか漢方薬臭い粉末が飛び散る。粉をすくって口に放り入れてみたらお婆ちゃんの臭いがした。唾液で溶かすと少しスースーして甘みは全くない。子供の頃飲まされたら拷問だな。

肝心の効き目だが飲んだらすぐにスッ、シャキッとするはずもなく、オロナイン軟膏と同じような緩慢さ。うがいできないときはいいかもしれない。でも苦いのが苦手な人は無理して飲まなくても普通のトローチとか浅田飴でいいような気がする。