長野ツーリング(前編)

ひさびさグネグネした道を走りたくなったので友人に会いに長野へSRXで行ってきた。

長野の友人といっても元は同じ高校。引越し癖のある奴で県内を転々としていたかと思うと都内に居たり関西に飛ばされたりで、何故か今は長野に流れ着いている。たまに電話で話すことはあるが会うのは恐らく5年ぶり。いきなり2日前に「そっち行くがフトンあるか?」と私から電話して勝手に押しかけた。

SRXにETCなど付いている訳もなく全部下道で。早朝に出て午前中に着くつもりだったが先方の都合もあるようだったので朝9時に家を出発。途中寄った国道17号熊谷バイパス沿いの山田うどんは以前よく利用した店。久々に納豆定食(390円)を食ったが旨い。通ぶる人は「駄うどん」と軽蔑を込めて略すが、納豆の量は多いしタマゴもついてこの安さはエライ。炭水化物ばかりだけど気にしない。

しかし昔は数時間ノンストップで走ったものだが、今は1時間も走ると自然に休憩してしまう。友人にも言われたが集中力が持続しないのだろう。まあ無理して走って事故るよりはマシだけど、ひ弱になったものよのう。途中コンビニに寄ったり、酒屋やドラッグストアで友人への手土産を買いながら碓氷峠へ。

碓氷バイパスまでの道のりは土日なのにさしたる混雑もなくスイスイ。ゴールデンウィーク前半で行楽客はみな全力を使い果たしたか。バイパスに入って年甲斐もなく連続カーブに血が騒ぐ。S字カーブの体重移動のカンを取り戻してハングオン。時々シフトの選択や荷重のかけ方間違えてコケそうになったり足を擦ったりしたが、そこそこバイクの性能を引き出せてSRXの醍醐味を味わえた。やはりSRXは曲がってナンボのバイクだ。

山を登り切ったら5月だというのにあちこちで桜が咲いていた。さすがに下はジーパン1枚だと寒い。友人との待ち合わせ場所へ昼過ぎに到着し、友人宅で車に乗り換えて奥さんと一緒に佐久平駅へ。外で水車がグルングルン回ってるそば屋、佐久の草笛で昼食をおごってもらう。昔はそばの旨さがわからなくて腹に溜まるからとうどんばかり食っていた。そば湯も「ただの茹で汁じゃん」などと思っていたものだが、今は旨いと感じるようになったんだからオトナになったものよのう。そば湯をすすりながら「昔、信州の人は痩せた土地でも育つそばを名物と言うのが恥ずかしかったらしい」などとウンチクを語って奥さんのひんしゅくを買う。いつも一言多いんだ、私は。

友人から山頂(どこか忘れた)へ行こうと提案され、そのまま同乗してグネグネと道を登る。途中ほとんど車とすれ違わない。山頂の日陰側には雪が残っていたが、スキーシーズンが終わって閑散期に入ったらしい。山頂の休憩所も閉店しているし、友人が私へのもてなしのためと思って連れて来てくれた絶景ポイントはどんどん白く曇ってくる。ガスでどんどん視界が悪くなって結局退却。でも降りるときに急に視界が開けたりして、離れるとそれが山頂にかかる雲だったことがわかった。宮崎アニメのように車で雲の中を突き抜けるという貴重な体験ができたのでこれはこれで面白かった。

その後トイレ休憩で道の駅・雷電くるみの里へ寄ったら出店で瀬戸内海産桜えびや利尻産昆布が売っていた。そんな土産で大丈夫なのか、長野。地元産野菜とかを見て回ったが、結局何も買わずに友人宅に戻る。

EVOを見せびらかしてゲームで遊んだり、持ってきたワイルドターキーを開けて久々にアルコールを飲んだ。翌日に悪酔いするから一口舐めただけだが、久々のウィスキーは旨いなぁ。夕食は奥さんの手料理でジンギスカン。羊肉は臭みがなく、野菜や野沢菜漬けもシャキシャキしてたまらん。長野は空気もうまいがやっぱり食べ物が旨いっ。

別の友人に電話をかけたり、だらだらとしゃべっていたら夜が更けた。先に奥さんが休んだあと友人と数年積もった話をしてから寝袋並べて就寝。語り足りないのか後ろから友人がいつまでも問いかけてきたが、「ン」と適当に返答しながら眠りに就いた。