富山ったー(前編)

富山に単身赴任していた妹がまた転勤だというので母と一緒に引越しを手伝ってきた。

ETCの深夜割引と道が空くのを狙って深夜1時過ぎに自宅を出発。関越道・川越ICから上信越道経由で北陸道小杉ICまで全線高速で片道3,300円。母のホンダライフは7万キロ走行の中古だがオーバードライブがついていて前のマツダキャロルより高速走行が静か。NAなのにレッドゾーンが7,500回転で、高回転までストレスなく回るエンジンはさすがホンダ。うっかりトラックを追い越そうとするとここに書けないスピードが出てしまうので抑え気味に走るのが大変だった。途中2回休憩したけれど6時過ぎには妹のアパートに着いてしまった。メール投げて熟睡中の妹を起こしてアパートに入れてもらい、しばらくザコ寝。

朝10時ぐらいにダラダラと起きて持参したパンを食べてから作業開始。妹は地元でできた友人に送別会に誘われて外出。(作業は)帰ってきてからやるから進めないでねっ」と何度も妹は念を押して言っていたが、それは芸人で言うところの前フリってやつだな。引越し先でどうなろうと考えずに母と無造作に箱に詰め込んで、妹が2時過ぎに帰った頃には粗方荷造りが終わってしまった。そのあと「アレは要らなかったのにぃ」とか「アレはいま要るのにぃっ」とか妹がブーブー言いながらせっかく梱包した箱を開けながら探していた。妹よ、そういうものはちゃんと前もって除けて我々に伝えておくべきだろう。母は母で「引越し(業者)って来るの明日だっけ?」「あさってだ!昨日もさっきも言っただろうっ」。この家族のコミュニケーションは破綻している。

案外あっさり片付いたので私はガスコンロや風呂場や洗面台、トイレの掃除をした。母娘は「どうせ業者がやるんでしょ?」とテレビを見ながら菓子をつまんでいたが、発つ鳥跡を濁さずと言うではないか。妹の部屋も来たときには壁の隅にワタボコリが成長していたし。まったくO型の連中と来たら・・・

私は一人暮らしで6年住んだ部屋を引き払う際、大家さんに「住む前よりキレイになっている!」と驚かれて敷金を全部返還してもらった。住んでいる間は畳で横になって髪の毛を見つけると飛び起きてコロコロローラーかけまくったり、ヒマがあると柱や窓を磨いたり、床の剥げていたニスを塗り直したりしていたので。大家さんに「よほど親御さんの教育が立派だったのねえ」と驚嘆されたエピソードを母に聞かせたら、母はソファーで尻を掻きながらテレビから目を逸らさずに「ハハハ」と照れていた。いやアンタ反面教師ですから…

晩は妹のおごりで回転寿司。とはいってもちゃんと職人が握る本格で、白海老やノドクロ、サザエなどの地元市場から仕入れた日替わりネタはあるし値段は高め。妹は「回転してるのは見本みたいなもので、みんな注文してるでしょ」と言っていたが、私と母は回ってくるものしか食べない人。ツナマヨ取って食ったら妹に「ここ(富山)まで来てそれ食うか!」と怒られた。

こんな私に誰がした? 後半に続く。