グッバイ肩当て

 ヴァイオリンを弾く時に必需品というわけではないが、肩当てというものがある。ヴァイオリンはアゴではさんで手を離しても落とさないように支えるのが基本なのだが、この肩当てを取り付けるとラクに支えられる。しかし使う人と使わない人がいて、名手と言われる人は使わないことが多い。

 でもどう考えたって肩当てがないと楽器を支え切れない。肩当てなしで弾いてる人はさぞかし超絶技巧でそれをカバーしてるに違いない。そう思っていたのだが、こないだ先生に「○○さんは肩とか厚いから大丈夫じゃない?」って言われた。先生によると必ずスパッとハマる位置があるそうで、余程ガリガリの人でもない限り、肩当てがなくても支えられるのだそうだ。

 その日は開放弦だから左手で楽器をつかんだままで弾けるので、肩当て外してビクビクしながら支えていたが、先生から「慣れれば大丈夫だから」と言われたのでとにかく今日は使わないで練習してみることに。位置を変えたり首をかしげたり色々しても全然決まらない。一瞬「ここだ!」と思うポイントが見つかりそうになるが、しばらくするとまたズレる。アゴ下の無駄な肉が憎らしい。

 肉がムニッとなって楽器を落としそうになったり、鎖骨が当たってイタイイタイとか叫んだりと試行錯誤しながら1時間ほどボウイングしていたら、ようやくコツがつかめてきた。どうやら私の場合1回アゴの肉をグニッとやって奥にギュッと押し込めるとスポッとハマるらしい。試しに何回か練習したら、おー、肩当てしたときと同じように楽器がホールドできる。ちょっと重いヤマハのサイレントでも何とかいけるので、これで肩当てとサヨナラできそう。ちょっとステップアップできた気分。つうか私のアゴの肉、多すぎ。

 あと今日は大宮ロフトの楽器店でバンドファイルを買ってきた。こないだレッスンの見学に行った時、生徒さんが楽譜をクリアファイルに入れてそれを開いて演奏していたのだけれど、先生が書込みする時にいちいち抜いて出してを繰り返していた。ありゃイカンなぁと思ってたら、これだとほとんど楽譜が露出してるので書き込みもラクだし照明に反射しない。これはオススメ。

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吉澤(Yoshizawa)
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NO MUSIC, NO LIFE

  
 数年前、ヤフオクで1万で買った中古のCDプレイヤーYAMAHA CD-X1。こないだ久々にハービー・ハンコックでも聴こうと思ったらCDが再生できない。いつまでも点滅を繰り返し、CDを読みに行っていない模様。

 最近あまりオーディオの出番がないのだが、聴けないとなると困る。PCで再生できないこともないが、このCDプレイヤーは前のオーナーの改造が施してあって、CDの読み取り能力が高く音が段違い。もうダメかなぁと思ったけれど、さっきダメ元で分解してみた。

 CDプレイヤーの構造を理解しているわけではないが、どうも読取り用レンズのついたヘッドが動いてないぽい。思い切ってさらにバラしてみたら、そのヘッドをスライドさせるプーリーのベルトが切れていた。

 プーリーベルトなんて持っているわけがなく、とりあえず応急で輪ゴムを巻いてみた。組み立て時にプラスチックのツメを折ってしまってプラリペアで補修するのに時間はかかったが、組み上げたら直ったみたい。今、動作確認にクラプトンの JOURNEYMAN を再生しているが、全くもって問題ない模様。

 しかし、よく考えたらウチ、ヤマハ製品だらけだな。昨夜もヤマハのネットショップで楽譜買ったし。

スタートライン

 新学年のシーズン、私もレッスンスタート。誰が読むんだとか需要考えずに初日レポート。

 楽器の仕上がりのチェックも兼ねてレッスン前に慌てて練習。楽器は弾きやすくなったけれど腕を伴っていないので四苦八苦。先生からもらった楽譜は開放弦だから余裕かな思っていたら全然弾けない。3連符とか全滅で、電子メトロノームでゆっくりなテンポから始めてもグダグダ。

 仕方なく4拍子1拍の3連符ではなく、3拍子の1拍に分解して練習をしてみる。最初ゆっくりとメトロノームの電子音に合わせて GGG DDD AAA EEE を弾いてみる。それに慣れたらテンポを早くして…を繰り返していたら徐々に弾けるようになってきた。メトロノームをまた4拍子に戻し、今度はちゃんと1拍の中で3連符を弾いてみる。最初よりは手が動くようになってきた。

 しかし弾いてみて思ったのだが、同じテンポで GGG DDD AAA EEE を連続で弾いてるつもりでも、4拍子と3拍子は明らかに違う。音符ってのは割り算だけど、それだけじゃ割り切れない何かがある。理屈で言ってしまえば、アクセントとかアーティキュレーションと呼ばれる音の微妙な強弱や長さの違いなんだけれど、やはりそういうのがあってこその音楽なんだよねぇ。深イー。

 とか、そんな発見をしながら1時間練習。SRX走らせて教室へ。エンジンの音も風も心地よい。今回通うのはキャリア30年以上らしい、年齢不詳の女性の先生が一人でやっている教室。自宅兼のマンションでマンツーマンの個人レッスン。入会金7,000円、1レッスン30分月3回8,000円と、まあまあお手頃価格。貧乏人にはツライけど。

 着いたらまずは楽器チェック。私が持ってきたヴァイオリンを先生に試しに弾いてもらった。音量が大きく低音から高音までしっかりと鳴るが、透き通った気品を感じさせる音。弾く人が違うとこんなに鳴るものか。先生からも「いい楽器ね」とのお墨付きをもらって、いよいよ十年ぶりぐらいのレッスン開始。

 今回は指板を一切押さえない開放弦のみのボウイングのレッスン。開放弦と言っても奥の深い、濃ゆいレッスンを受けた。先生によると「開放弦が一番難しいのよ。プロだって弾きたがらないんだから」だそう。最初はやはりグダグダだったが、先生の教え方が非常に論理的でみるみる音が良くなっていく。4音しか出してないのに気持ちよく弾けてきた。さっきの3連符で発見したことも、理論と感情の両面で教えてくれるのでわかりやすい。近いからという理由で決めた教室だが、これは凄い先生に当たったかもしれない。

 30分のレッスンが終わり、先生と今後の方針について話をする。先生によると、私が危惧していた自己流の変なクセはさほどないみたい。しっかり基礎からやり直したいと言ったら、オトナでも基礎からしっかり学ばせたいという先生の方針と合致。曲は後回しにして、とにかくスケールとメソッドを中心にやることに。

 別にプロになるわけでもないけど、やるからにはしっかり弾きたい。自分の中からフツフツと湧き出る感情をヴァイオリンでドッギャーンと掻き鳴らしたい…なんて野望を抱きながら家に戻り、練習を始めると全然ダメ。道のりは長い…