EeePC 901 16Gレビュー その3

 これまで3日にわたって自己逃避気味に901をいじくりまくったが「ネットブックって案外使えるじゃない」というのが私の結論。でもこれは私の使用用途が元々性能を求めないていないだけ。今まで小さく非力なZero3(初代)でさんざんftpやらsshなども使っていたので、それに比べれば快適に感じてしまうから。だいたい私は昔からクルマでもバイクでもスペックの低いものを限界まで性能を引き出して使うのが好きだし、同型の使用ユーザーに触らせて「なんでこんな快適なの?」と言わせるところに至上の悦びを感じる人なので。

 そんなわけで901はヘヴィーユーザーからすれば物足りないかも。そのくせヘヴィーな人(重い人じゃない)でないと十分に性能を引き出せずにガッカリすること必須。デフォルトの状態でしばらく使ったら、嫌気がさしてヤフオクで売り払うハメになるだろう。某掲示板の名無しさんが書いていたけど、オモチャとして割り切って使うのが正解だと思う。ぐぐるとRAMディスクという技を使ってさらに速くできるという話だが、まあ現状で十分実用になるのでこの辺で。

 では最後に持ち歩きノートPCに入っていると便利なフリーウェアの紹介をひとつ。ばるソフトのヴァルヘルIPコンフィグ。これはWindowのネットワーク設定をワンタッチで変更するもの。

 私の家のネットワーク設定はちょっと複雑。DHCPを切っているので個々にIPアドレスを手動で割り当てるというメンド臭いことをあえてやっている。そのため、公衆無線LANや野良無線(セキュリティをかけていない他人ン家の無線LAN)を使うときにはいちいち設定を変えないとならない。それに自鯖の動作確認するのにローカルの場合はHOSTSファイルで設定しないと見れないが、それをやってしまうと今度は外部から確認したいときにできなくなってしまう。

 ヴァルヘルIPコンフィグは複数のネットワーク設定を個々に設定して保存すれば、切り替えが一発でできるので便利。HOSTSファイルも別個に用意して個々に指定しておけばいいし、私は使わないが別名のWindowsネットワークやIEのプロキシの切り替えもできる。私のように自宅でWebサーバを動かしている人や、会社や外部の特殊なネットワークを利用する人には必携のソフトかも。私はソフトを作る能力がないので、こういう助かるものを作って無料で配布してくれる作者さまに感謝。

 それはそうとOutlook互換のPIMソフトってないのかしらん。予定表や住所録をそのまんま移せるソフトがあれば、Zero3を引退させようかとも思うのだが。でも大事なデータは901に入れない方がいいかな…?

EeePC 901 16Gレビュー その2

 さて、前回書き忘れていたことから。

 ボディは黒だが微妙にメタリック。割と高級感があるし、剛性も高そうなので29,800円と値段を言わなければわからんかも。1.3メガピクセルカメラはなかなかおもろい。別に音声チャットしないからあまり要らんのだけど。でも昔、Vaio C1にあこがれた時期もあったので、やはりカメラ付きはうれしい。

 スピーカーは底にあって小さい割にはいい音。Realtec HDオーディオのDOLBYなんたらでサラウンド効果がかけられて、これまた楽しい。3Dオーディオデモ試したら頭の後ろから音鳴って、どーなってるの? としばらく面白がって鳴らしまくり。

 ACアダプタが小さくてかわいい。アダプタ本体は全長85mmとコンパクトなので持ち運びも苦にならないかも。昔は12V3Aのアダプタなんて恐ろしくデカくて重かったものだけどね。スイッチング電源ばんざい。充電もそこそこ早いし、バッテリーの持ちもよろしい。USB給電の外部機器とか使っているわけじゃないので一概には言えないが、無線LANで使ってるだけなら6時間は余裕でいけるんじゃないかと。デフォルトではバッテリー残量表示が出ないので、電源オプションでバッテリーの状態をタスクバーに出すように設定。

 XPのLunaはキライなのでクラシック表示で。Themesサービスも停止。常駐ソフトも要らんもんはどんどん外す。スタートアップも削る。フォルダオプションもアイコン表示を「一覧」表示で小さく。でもなんか見た目がおかしい。デスクトップのアイコン表示が不自然に大きいようだ。画面のプロパティ>デザイン>詳細設定のアイコンを確認したらサイズが46になっていた。標準の32にしてスッキリ。やっと使い慣れた画面になってもっさり感もなくなった。

 MS Office互換のSun製StarSuiteが標準でインストールされているのはうれしい。でも他の要らないソフトは消しまくり、元々インストールされていたJavaやAdobe Readerなどは削除して最新のものと入れ替え。Nortonのライセンスがひとつ余っていたのでインストールしてみたが、そんなに重くはならなかったので一安心。メーラーはWebMailで確認するので使わない。ブラウザはOperaを入れて表示などをカスタマイズ。他にもお出かけ用としてApache2.2.11やActivePerl5.10.0、FileZillaとかTera Term UTF-8対応版などをインストール。TeraPadをテキスト編集やHTML編集用に関連付けて、mezzo.jpや某掲示板、自鯖のデータも移行。これで外出先でもネットがあれば、スクリプト編集ができたり自鯖を遠隔操作したりできるようになった。

 画像編集用にGIMP2.6もインストール。最初の起動でコケて「反応なし」になったが、2回目以降は無事起動。画面が狭くてツール類がキツイが、適当にGIMPの設定をいじってなんとか収めてみた。貴音さんの壁紙を引っ張ってきて解像度に合わせて編集したり、前回の記事の写真もすべて901でやってみた。CPUを使うフィルタはさすがに重くてもっさりだが、途中で落ちることなく編集できるので緊急用に十分使える。

 で、そこそこいじって次にやりたくなるのは増設。メモリは標準でメーカー公表最大の1GBが積んであるのだが、実は2GBまで積めるとのこと。早速ドスパラでTranscendのDDR2-667(SO-DIMM PC2-5300 2GB)2,480円と、ついでにA-DATAのSDHCカード4GB 990円を買ってきた。裏返してプラスネジ2本を外して裏ブタを取ると、16GBのSSDと無線LANカード、メモリにカンタンにアクセスできた。メモリは黒い絶縁フィルムの下に隠れてるが、めくって両脇の金具を外せばポンと斜めに飛び出る。ちなみに標準メモリはhynixだった。抜いたら新しいのを斜めに奥まで差し込んで、両脇の金具で止まるまでパチッとハメるだけ。初代iMacに比べてなんというカンタンさ。フタしめてすんなり起動。しかし起動後にSDカードスロットのダミーカード抜いてSDHCカードを差し込んだら急に電源が落ちて画面が真っ黒に。

 電源を入れ直したらBIOS画面が…ま、まあ、こ、こんなこと慣れてるからっ、だ、だだ、大丈夫さささ…F2キー押してBIOSのLoad Setup Defaults選んでSave and Exit。その後ちゃんと起動したらプラグインプレイが始まって、メモリもカードも認識されていた…ホッ。でもリムーバブルディスクで起動するごとにSDHCカードのDドライブの窓が開いてウザイので、自動再生を切った。これでようやくカスタマイズともに完了。バリバリ「使えるマシン」になった。

 とまあ、こんな感じで無駄に遊んでいるのだが、実を言うとこないだから右手の親指を突き指してしまい、ペンがロクに握れなかったり…いろいろできなくて難儀してまする。

EeePC 901 16Gレビュー その1

 図体の割には小さいものが大好きなmezzo。誤解のないように書いておくがmezzoはロリコンだから、変に間違ってもらっちゃ困る。まあそんなことより、とりあえずいじくりまくって気がついたことを実機にてメモ+画像編集(GIMP 2.6)。

 まずはインターフェイスの使用感の悪さ。なんかボタンがえらい硬い(「えらい」というのは西日本方面の方言らしく「とても」「ひどく」みたいな意味らしい。私は関東産だが広島出身の死んだ婆ちゃんから感染ったらしい)。「カチッ」というより「ガチッ」てな感じ。多少乱暴に扱ってもいいように、もしかすると最初は硬いのかもしれない。

 でもタッチパッドはそのくせ、えらく敏感。タッチパッドに指を滑らせているだけなのに、何かの拍子で窓が勝手に開いたり閉じたりして非常にイラつく。最新のドライバをAsusのサイトから落として当ててみたが、多少よくなった程度で私の象のような指ではやはり使いにくい。そんなわけでマウスのプロパティからElantech Smart-Padのオプションを開き、ボタンとスクロール以外を全部無効にしてしまった。二本指でスクロール機能が使えるのはiBookでも同じだが、iBookよりシビアに指の位置を感知するため、ちょっと斜めになると動かない。あとデフォルトではスクロールが早すぎるので最遅にしてみた。でもおそらく以上は私の指が太いせいなので、あとは慣れるしかないだろう。

 キーボードはやはりピッチが小さいせいか、今もミスタッチを繰り返している。だがキーストロークは十分にあるし、昔使っていたWindows CEのハンドヘルドPC、日立ペルソナの感覚に近いから、そのうち昔のカンを取り戻して慣れるだろう(ていうかこの文打ってたら慣れてきた)。でも何よりFnキーがCtrlキーの右にあるのがいい。私はデスクトップで慣れてるせいか、Fnキーが外側にあるとCtrlと間違えて押しまくって発狂するので。

 付属のマウスは最初小さすぎて手が疲れたが、慣れてくるとクリック感の心地よい、オマケにしてはなかなかいいマウス。暗闇で使うとスクロールホイールが赤外線の赤い光でぼんやり光って妖艶。

 画面は老眼の始まった私には若干キツイが、まだ何とか大丈夫。1024×600という中途半端な解像度は最初戸惑うが、ブラウザのメニューバーをカスタマイズして面積を節約すれば何とか。というか片手でつかめるサイズがいいのであって、某T氏のように数キロある17インチフルサイズノートを持ち歩く根性など私にはないからこれでいい。

 だが、一番困ったのが時々微妙に固まること。何かの動作に対してワンテンポ、下手するとフリーズしたようになる。ぐぐってみると、どうやら「プチフリ(プチフリーズ)」という現象らしい。これはSSD(ソリッド・ステイト・ドライブ/フラッシュメモリ・ドライブ)特有の症状で、まだまだフラッシュドライブのドライバやコントローラなどが未成熟なのかWindowsの問題かわからないが、ストレスになるし実用上非常に問題だ。

 ぐぐってみるとどうやらプチフリは Windows SteadyState というMicrosoftで無料配布しているソフトで改善されるとのこと。これは元々公共の場所に設置するようなPCで、利用者が勝手に変更を加えないようにするためのソフトなのだが、ディスク管理機能でキャッシュ領域をディスク上に強制的に確保するため、起動ドライブへのランダムアクセスが減るという。早速試しに職場でインストール。

 「ハードディスクの保護」を有効にするとドライバをインストールし始めてまた再起動を要求される。またSteadyStateを起動したら「すべての変更を永続的に保持する」にチェックを入れておく。これをやっておかないと、インストールしたものやら登録したお気に入りやら、新規に作ったファイルですらすべて元に戻って消えてしまうので注意(いや、それが本来の目的のソフトだけど)。

 また再起動すると起動時のWindowsロゴマーク下に「Windows Disk Protection is comitting changes, please wait…」などと表示されて、起動が3倍ほど遅くなった。つまり新規作成したファイルや変更をかけた部分は、シーケンシャルにそれをSteadyStateが確保したキャッシュ領域に一時保存し、次回起動時にそれを正しい位置に書き加えるという仕組みのようだ。起動は遅くなるが、起動してしまえば以前と違ってサクサク動いて気持ちいい。プチフリはほぼなくなったようだ。何か設定変更するたびに再起動を要求されるのはウザイが、Microsoftにしてはいいソフトかも。

 でもインストール後、自動ログインが無効になってしまった。自動ログインを有効にするためには「ファイル名を指定して実行」で「control userpasswords2」を入力。自分のユーザー名選んで「ユーザーがこのコンピュータを使うにはユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックを外してパスワード入れずにOK、とメンド臭い。またSteadyStateのキャッシュ領域のためにディスクの残り容量が極端に減ってしまったので、あとで「キャッシュファイルのサイズの変」(『更』が抜けているw)でデフォルトの4.9GB(50%)になっていたものを、気持ち減らして4.0GB(41%)にしてみたら、再起動後に「すべての変更を永続的に保持する」が無効になっていたりと、微妙にバグっぽい。あと「ハードディスクの保護」が有効のままだとデフラグもできなくなるので、デフラグ前にはそれを解除しないとならない。やっぱりWindowsのファイル管理が悪いのかも…

 では次回はメモリの増設とか。