Cooperstand Pro-Mini

メカニカルな変形ギミックは男の夢。実用性皆無の玩具には興味を失った私だが、これをネットで見つけたらすぐ物欲が刺激された。その名は CooperstandのPro-Mini!

額縁のつい立てみたいなコレは折り畳み式のスタンドで、ただ楽器を立てるだけのもの。しかしギターやヴァイオリンなどの弦楽器は自立しないものがほとんどなので、ちょっとトイレに行きたいときとかに困る。ケースに収めておけばいいのだが、練習会など人が多い所だと床にズラッと並べておくと邪魔になるし、何よりイチイチ収めるのが面倒。その度に後姿を見せながらしゃがむのもスマートじゃない。ミュージシャンたるもの片手でガッとツカむぜ? ワイルドだろ~? いや、だからミュージシャンじゃないけど。
  
要はカッコつけのための道具と言えなくもないが、いやいやなかなか便利。以前譜面立てに取り付けるスタンドを自作したが、ヴィオラには高さが足りなかったし。ならばこれまた自作した楽器ハンガーにかけておけばいいのだが、数メートル動くのが面倒だったし(だから太る)。
  
そんなわけで以前からスタンドを自作するか安い奴を買おうかと物色していたのだが、他のスタンドは金属パイプに黒塗装という素っ気ないものがほとんどでイマイチ。それにただでさえ狭い部屋のスペースを占有しそう。だがこれは木の素材でカーブもカッコイイ。何より変形ギミック。うおォンと叫びながらポチッた(心の中で)。
  
畳むと十数センチに収まってしまうコンパクトさ。ヴァイオリンケースは小物入れが大きいタイプじゃないと無理だが、標準的なヴィオラケースなら何とか入る。練習会とかで持ち込めば注目されること間違いなし。これでしゃがんで背中からシャツがはみ出ることもない(だからやせろ)。
  
だがウクレレやマンドリンなどにも使える汎用スタンドなので欠点もある。ヴァイオリンやヴィオラはあご当てのせいで前方の引っ掛かりが甘く、置き方次第では不安定になり、また4本足のため床が歪んでいるとちょっとカタカタする。特にヴィオラは高さと重量があるため不安定になりやすい。ただし置いたあとに少し押し付けながら前後左右に揺らしてやると、足が床に合わせて歪んで安定して楽器も落ち着かせることができる。慣れないうちは慎重に安定するポイントを探しておく必要があるだろう。

また重量がないため、鉄製のスタンドより安定性は落ちる。足には滑り止めがついていないのでフローリングでは滑りやすい。実はこれ、狭いステージ上で体が触れたとき、わざと床に滑らせて楽器を倒さないようにする意味があるらしい。とはいえネック側に何の支えもないので楽器が倒れやすいことには変わらないと思う。あくまでも「ちょっと離席」するという用途として使うべきだろう。もちろん倒して楽器が壊れても補償はされないので。

などと書くと頼りなさそうだが、楽器がキチンとハマってれば少し揺らした(震度4程度?)ぐらいじゃ落ちない。楽器の当たるところはきちんとゴムと発泡フォームで保護されているので楽器にも優しい。何よりマホガニー材が楽器にマッチしてグー(ハッとしてグーはトシちゃん)。

てなわけで別段意味もなく立てて眺めては、腕組んでほくそ笑んでいる。いや、だから練習しろ!

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チェロは別弓

以前アントニオさんに友人のベースを持って行った時「大きいだけで作りはヴァイオリンと変わらないですよ。違うのはいじる体力(笑)」と言われたことがあった。だがそれはあくまでもプロの言葉。体力だけじゃなく細かいところがかなり違うので万年初心者はその辺で戸惑う。今回はその弓の違いについて気づいたことをだらだら。

以前にも書いたがヴァイオリンとヴィオラは弓が違う。楽器が大きくなると物理的に大きなエネルギーを加えないとならないから。チェロ用の弓はさらに太く、重くなっている。そのためヴァイオリンの持ち方をすると非常に疲れる。

実は高音と低音は同じ音量でもエネルギー量が違う。いいスピーカーを使っている人は知っていると思うが、高音用にはツイーターという小さなユニット、低音用にはウーファーという大きなユニットが使われている。低音ほど周波数の周期が長くなるのでスピーカーの口径を大きくして鳴らした方が効率がいいのもあるが、一番の理由は人間の耳は周波数によって聴こえ方が違うから。体感的に高い音と同等にするには、低音になればなるほどエネルギー量を増やして物理的に音量を増やさないとならない。

そのためオーディオ用のアンプは周波数が低くなるほど対数的に電気信号を増幅するよう設計してあり、人間の聴覚に合わせた補正がなされている。コンサートで低音を会場の隅々まで響かせようとしたら、大出力のアンプとウーファーを積み上げ、最前列の人の前髪が音圧で揺れるぐらいのエネルギー量が必要になる。逆に低音を響かせる必要がなければメガホンみたいなラッパ型スピーカーで十分遠くまで音が届く。サイレンが甲高い音なのは、遠くまで音を飛ばすのにエネルギーが少なく済むからだ。

以上を大雑把にいえば低音は強く、大きくしないと聴こえないということ。キレイな音を響かせるためには大きさを犠牲にできない。チューバやバスクラリネット、バスーンなどの低音楽器のサイズがデカいのはそのせいだ。もちろんサイズが大きくなれば、演奏時に加える仕事量もより大きくする必要がある。

チェロやコントラバスなどのような弦楽器の大きな箱を十分鳴らすためには、弦と弓が接する面積をヴァイオリンより多くし、弦をより大きく振動させないとならない。そのためチェロの弓は毛の量が多く棹も太くなっており、弾く際に大きな抵抗がかかるので非常に重い。試しに普段使っているヴァイオリン用の弓でチェロを弾いてみたら軽いけれど音が十分に鳴らせず、逆にチェロ用の弓でヴァイオリンを弾いてみたら重過ぎて速く動かせなかった。やはりそれぞれ専用品を使わないと楽器か弓に余計な負荷がかかってよろしくないようだ。

また弓だけでなく、その毛に塗る松脂も選ぶ。私はいい松脂を使ったことがないのではっきり言って違いのわからない男だが、今回チェロをいじったときにはさすがに違うと感じた。諏訪楽器付属の松脂は「VIOLIN – VIOLA – CELLO -BASS」などとオールラウンドに使えるように書いてあるDESIGN in ITALIAN(笑)だが、チェロにはまるで使い物にならない。最初はこの黄色い松脂を使って弾いていたのだが、どうも粉がバラバラと散ってすぐに引っ掛かりが悪くなる。なので試しに以前ヤフオクで買った通称「黒猫」の類似品(中国製)の黒い松脂を使ってみたら断然弾きやすくなった。黒い方は粘り気のあるタイプなのだが、どうやら柔らかい方が弦が裏返らず持ちもいい。

欧州製のブランド松脂だとわざわざチェロ用とかヴァイオリン向きとか書いてあるのが多いが、やはりこうしてみるとちゃんと理由があるようだ。もちろん好みの問題もあるだろうから一概には言えないだろうけれど、やはり闇雲に弾くばかりじゃなくその理由を理解し、道具を選ぶことも重要なのだろう。いや、道具が良くなったからってまるで上手く弾けないし、結局はこんな理屈こねるより練習した方がいいんだが。

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グリーンカーテン2

以前、グリーンカーテンにトケイソウを植えたことを書いたが、1ヶ月ほど経ったその後の成長記録(以前の画像)

このトケイソウは植えて数週間はウチの土になじまなかったのか、枯れこそしないが元気がなかった。どうやら根付きが非常に悪いらしい。時々見ていないとネットから外れて地面に倒れている始末。こないだの台風でダメになるかと思ったら、何故かここ数日で一気に伸びた。いじめられて育つタイプか?

よく見ると以前はなかった触手というかヒゲがヒョロヒョロと伸び、ネットを這って上へ上へと目指している。このヒゲは何かに触れるとクルクルとカールするようになっているようで、縦横に伸びてネットに巻きつき足がかりを作る。するとそこから茎が伸びて葉が拡がっていく。開拓者というか前線部隊というか。目も脳もないのに植物ってすげえ。とはいえ見当違いのところにヒゲを伸ばしていることもあるので、その辺は手でいじって誘導しているが。

暑くなる前に葉がいっぱい生い茂ってくれないとグリーンカーテンとしての意味がないのだが、どうやらこのトケイソウはそんなに葉が茂るタイプではないようだ。素直にゴーヤでも植えればよかったか・・・? 暑くなっては欲しくないが、これからの天気に期待しよう(本末転倒)。