被災地から離れたここも混乱状態が続いている。私もよせばいいのに先日都内に急用でバイクで銀座まで行ったらひどい目に遭った。不謹慎と言われるかもしれないが「バカだなぁ」と笑い飛ばしてくれればと、自戒をこめて公開。
急用というのはある楽譜の入手。ネット決済で楽譜をプリントできるサイトをアテにしていたのだけれど目的のものが見つからない。必死にサイトを探しまくったら銀座のヤマハに唯一洋書の在庫があるのを発見。一応通販もできるらしいが、翌日までには間に合わせたかったので、直接銀座までSRXで買いに行った。電車だっていつ止まるかわからない状況だったし。でもこれがそもそもの間違い。
往路分のガソリンは間に合うが帰りの分がない。途中並ぶのを覚悟で給油すればいいやと思ったらとんでもない。半分以上のスタンドは休業の札を掲げ、営業中のスタンドはキロメートル単位の列ができていた。バイクといえども割り込みは許されないので最後列に並んで待っていたら、歩道の人に「先のスタンドはやってないよ」と言われた。礼を言って列から離脱したら1キロ先で店員が店にロープを張っていたところだった。適当に目星をつけて幹線道路から外れたスタンドを探してみたが、結局確実にガソリンを入手できるところは皆無。そうこうするうちにガソリンも残りが怪しくなってきた。
結局、自前の給油所(一般に非公開)を持っている会社の支店に泣きついて給油。以前世話になったことがある支店なので挨拶も兼ねてお菓子を手土産に持っていったら「かえって高くつくようになっちゃって悪いわね」と言われた。しばらく行かない間に半分以上人が入れ替わっていたのでさびしい思いもしたけれど、13.4リットル入れて当面のガソリンは心配なくなった。遠回りになったが仕切り直して銀座に。
銀座のヤマハは初めて行く場所だが迷わず到着。でも遠回りしたので到着に4時間もかかってしまった。さすが銀座だけあって高級感のある建物。駐車違反の取り締まりもないだろうと思い店前にSRX駐車。ヤマハの前にヤマハは絵になると自己満足。店内は「節電協力の為」と照明が落としてあったが、むしろこの手の店は薄暗い方が高級感があるような気もする。3Fの楽譜売場に向かい、すでに電話連絡で取り置きをしてもらってあったので即購入。珍しい楽譜があるのでゆっくり見てみたかったが、時間が遅くなったのもあったので、特売コーナーをパラパラ見ただけですぐ帰路へ。
途中、会社の人からもらった義理チョコのお返しを銀座風月堂で購入して、さらに板橋のわ蔵で味玉とんこつラーメンに味玉追加で1杯だけ食った。って早速都内まで来たのなら色々行かないとと思ってしまう貧乏性。わ蔵は最初看板の電気が消えてるので休みかと思ったらここも節電だった。看板を落としたら客足が遠ざかるし、自粛ムードで商売上がったりだろうなぁ。都内は輪番停電もなくて恵まれてはいるが、やはり経済的な損失はかなり被っていると思う。
だからこそ使える金をどんどん色々なところに回さないと、血流が止まって経済が壊疽してしまう。もちろん生活必需品の買いだめは問題だが、趣味嗜好品まで「不謹慎だ自粛しろ」と口だけで批判するのは復興の妨げにしかならないと私は思っている(一応書いとくけど募金もしてるから)。首都圏は確かに物流が混乱しているがモノは確実にある。風月堂、閑古鳥が鳴いてケーキがいっぱい売れ残っていたしね。復興は長期戦になるだろうし慌てる必要はないけれど、被災していない我々は落ち着いた生活を取り戻すことが先決だと思う。って、混乱の中バイクで出かけている奴が言う資格ないかもしれないけれど。
ようやく真っ暗になった頃になって家の近くまでたどり着いたら輪番停電で信号が消えていた。家に入っても真っ暗で、冷え切った体を温めようにも風呂が沸かせない。石油ストーブ前で30分くらいカタカタ震えながら「もう出かけねえよ」と反省するのであった。