恐らく15年以上前だと思うが、北浦和駅前の質屋で衝動買いした腕時計「LE MONDE」。手巻きのアラームつきで、確か2万ぐらいした覚えがある。給料入ったばかりで珍しく財布に万札が入っていたため、うっかり買ってしまったんじゃないかと思う。まだ二十代だったしね。箱にはスイス製って書いてあったような気がするが、さっき検索してもそれらしいものは引っかからなかったので、素性は一切謎。
惚れた理由は手巻きなのにアラームがついていること。リューズが2つあり、写真右は時計のネジと時刻合わせ、左で「ベル」のネジ巻きとアラーム時間のセットを行う。つまり、時計のネジとは別にネジを巻く必要がある。「ベル」と書いたが音は「ジジジジジジ・・・・」と、死にかけのアブラゼミのよう。静かな所ならば聞こえるが、雑踏とかで歩いていたらまるで気づかない。目覚ましとして使うにもそれこそ耳に当てたまま寝ないとダメだろう。
そんなんでも結構お気に入りで、友人に見せる度に「ジジジジ・・・」慣らして自慢をし、どこへ行くにも巻いていた。手巻きなのに1週間で10秒程度しか狂わなかったし、何より2万円の時計を巻いているという変な優越感もあった。でも力仕事でもバリバリ使っていたらガラスがキズだらけになり、おまけにバンドまで切れてしまった。さらに携帯を持つようになってから腕時計をする習慣がなくなってしまったので、10年ぐらい引き出しに放置していた。
ふと、こないだ印鑑を出す時に見つけて懐かしくなって出してみた。ガラス面を耐水ペーパーで水研ぎ#240→#2000→コンパウンド、と磨いて傷を落としたら透明度が甦りピカピカになった。明日仕事で車を運転するので、久々巻いてみようとさっきホームセンターでバンドも買ってきた。結果はこの通り…ううむ、時の流れとは残酷なものよ。
突然失礼致します。珍しい時計ですね…私も LE MONDE の時計(自動巻クロノグラフ仕様:機戒はETAバルジュー7750)を一本持ってます。購入は阪神大震災年の夏でしたから、もう19年以上前ですね…その時実家は倒壊し、混乱期でした。2万円台半ば(うろ覚え)で、箱はAuberge SWISSの刻印が入った意味不明な高そうな木箱(ローズウッド)でした。震災後の混乱期でしたから。この時計を見ると、地元神戸の当時の風景や、東日本大震災を思い出します。
決してスイス時計の中では高級ブランドではないものの、日本には滅多に入らない希少な時計らしく、数年前、アンティーク店で5万円弱で売っていたのを見て驚きました。
アラーム仕様は(中の機戒は有名なA.S.=ア・シールド製かと)はもった珍しいと思いますよ。ETA社がバルジューの様に吸収したかは未確認ですが。
長々とくだらない話をしてすみません。それでは。
るもんどさん
コメントありがとうございます。そして長いこと放置して申し訳ありません。
やはり珍しい時計だったんですね。結構ブログにも書いたように仕事でハードに使ったため傷だらけですし、最近は時間が遅れるようになったので、ほとんど巻いてません。ちゃんとメンテに出さないとダメですね。近所に職人のいる店があるようなのですが、2万ぐらいかかるらしくて結局仕事用にセイコーのクォーツを買ってしまったりとか…
とはいえ私もこのルモンドを眺めていると、仕事で時間に追われていた時や長距離出張など、色々なシーンが思い出されます。一緒に時を刻んできた相棒なんですよね。大事にしてやらなくちゃ。
ここ数十年であちこち震災が起こり、命は助かっても家族や友人、思い出など大事なものを喪失された方のお話を聞くと心が痛みます。そうした混乱期を乗り越え、今なお時を刻んでいる時計。大事にしてあげてください。
返信ありがとうございます。
確かに時計は、それを眺めるだけで着用していた当時の記憶や心情が蘇り、軽く意識が持っていかれる感覚になりますね。
以前『国内代理店も無いし、自動巻クロノの様な複雑時計は、幾ら買値が安くてもパーツが多いので、分解掃除だけでも4~5万程見ておいた方が』と言われた時は冷や汗が出ましたが。
最近はメインからは退き、休日に時々動かしてみる程度ですが、特に不調もなく時を刻んでいます。
これも何かの…珍しい時計が取り持つ縁と云うか…LE MONDE 腕時計で検索したら、何故かこのブログが比較的最初の方に出て来ました。
(余談ですが、機械式アラームと云うだけでも珍しい上、今の御時世スイスの新品なら数万円代では買えない)
…と云う事で、折角なのでこのブログにリンクされているメインサイトの方も覗きに行ってきます。
それでは。
るもんどさん
メインサイトは全く放置気味ですし、節操ない内容ですので見て「何だこりゃ」と思われたかと思いますが、ありがとうございます。
昔は腕時計をつけるのがイヤだったのですが、この時計はなんかしっくりくるものがあって違和感なくつけていました。遅れるようになってからあまり巻かなくなり、そのうち時間を見るのは携帯に頼るようになり、スマホにしてから全く巻かなくなりました。
でも街中や電車でスマホばかり見ている自分がアホらしく見えて来て、最近になってセイコーのクロノを巻くようになりました。たまに巻き忘れると何かソワソワ落ち着かない気分になるので、気分を引き締める効果があるのでしょう。腕時計は単なるアクセサリーじゃなく、気持ちのスイッチを入れる道具のような気がします。会社に着いてデスクワーク中は外しますが(笑)
私も以前ルモンドについてあちこち検索してみましたが、海外でもあんまり情報がないものですから、かなりマイナーな部類に入るんでしょうね。幸い日本の時計職人はまだまだ腕の確かな人がいらっしゃるようなので、そろそろちゃんと分解清掃の依頼をしてみようかと思います。
このブログが残っていて懐かしくも嬉しく思います。少しビックリしましたが。
そろそろ何か情報が出てきてるかなと、久々に検索したところ、このブログがやはり上の方に出てきまして。
そうですね。携帯の頃も実際携帯で時間を知る事が多かったものの、スマホに替えて以来…実はスマホ画面が固まってたり、デカすぎて出すのが大変だったり四十肩になったり、スクリーンショットに表示された時刻に騙されて青ざめたり(笑)
セイコーのクロノグラフは、実は私も持ってます(逆輸入ですが)安くて防水も効くので使い倒しています。
LE MONDE クロノグラフは、まだ平然と動いているのですが、油切れなのか運動不足なのか、手巻きしなければ止まり易くなり…しかし機械クロノのオーバーホール代は安物でも半端ない価格(苦)御老体なので、週一で使うぐらいですね。
やはりと云うか、私も時計は気合いを入れる道具で、何かパワーを貰ってる気がします。「ここ一発!」な時ほどお気に入りを付けます。
それではついでに、暑中お見舞い申し上げます。