前編からの続き。

次の目的地に行こうと奥多摩周遊道路へ。しかし行き先を間違っているぽかったり、moに先導させたら暴走始めたりでグダグダに。まあその間エンジン全開でライディングをたんのーしたのでこれはこれでよし。休憩先でタイヤ見たらソール近くまでレース後のタイヤみたいに毛羽立っていたし。お互いようやくCBの回し方がわかって楽しい。

次は鋸山へ。EVOに向かって「のこぎりやまっ」と音声入力したらポピッ♪とヒット。そのままナビ開始できるのだからテクノロジー万歳。道案内されるままに鋸山林道を進むと、どんどん道が細くなっていった。この先通れるのか? と一瞬思ったが一応対向車(ジャガーとかベンツ)やバイク(オフロード車)に何回もすれ違ったので大丈夫のようだ。いや、もしかすると引き返している車なのかも知れない。ちょっと不安になってきた。

集落を抜けると突然杉林が広がった。おお、なかなかの絶景。道の広がったところでバイクを止めてしばし散策。フィトンチッドだのマイナスイオンだのを思いっきり浴びた。ああ都会で汚れた心と体が洗われる。
  
バイクに乗ってさらに道を進めると道が段々険しくなってきた。舗装はしてあるのだがあちこち落石やら亀裂やら湧き水やら崖崩れが起きている。オフロードとまでは行かないが重量級ロードバイクには不向き。ガッツンガッツン突き上げる。20~30km/hでトロトロ走ったらようやく鋸山山頂近くにたどり着いた。でもトイレがあるだけでこれと言って見るものなし。というか徒歩で頂上に登れば見晴らしもいいのだろうけれど、浮き砂利に神経使って走ったので疲れたからパス。少し休憩したら次の目的地へ。

EVOはネットにつながらないと全く役に立たないが、さすがau。山頂付近では3Gがダメでも「1X」で遅いがかろうじてネットにつながった。今度の目的地も「にっぱらしょーにゅーどーっ」と叫んだらポピッ♪と一発検索。そのまま案内されるがままに目的地へ。
  
ちなみにEVOのナビは一度ルート検索すると曲がる交差点などは記憶されるようで、ネットにつながなくてもGPSさえ切れなければちゃんと案内だけは続けてくれる。ただしその場合は地図の詳細データがダウンロードされないので地図の表示は消える。今回、割と山の中でもネットが途切れず地図の表示は消えなかった。さすが都内。ネットにつながっていればルートを外れても再検索するし。それに所要時間などもGPSのログで平均速度を割り出しているようで、渋滞にハマるとリアルタイムに変化する。自走センサーがない割にかなり正確。こんなん使ったらもう紙の地図なんか使えない。

で次の目的地、日原鍾乳洞にも迷わず到着。とは言ってもそんな道は選べないので迷いようがないかもしれないけれど。入場料600円を払って洞窟探検。入るといきなりヒンヤリした風。先の見えない岩の割れ目を頭をかがめながら下っていく。まるで川口浩探検隊。蛍光灯の照明はあるけれど、天井が低いので頭ぶつけそう。
  
天然の鍾乳洞に無理くり通路を作ってあるようで、天井のしずくをポタリと頭に受けたり、あちこち擦ったり、時にハシゴのように急な鉄階段を登らされてヒイヒイ。入ったときはあんなに寒かったのに出る頃には汗だくになってしまった。鍾乳洞と聞いたイメージとは違うちょっとショボめのツララではあったが、なかなか楽しめた。出た後は併設の食堂で私は山菜ソバ(550円)、mo氏はカレーライス(600円)で遅めの昼食。ていうか何が名物なのかもわからないし、駅の立ち食いレベルではあるが、地元にお金を落とすのは観光客の礼儀だ。
  
で、今度もmo氏のリクエストで昭和レトロ商品博物館へ。というか私は今回のツーリングで「奥多摩っ」と適当に行き先を決めただけで何の事前の調べもしていない。ちゃんとmo氏が面白そうなところを調べてくれるのでラクだ。EVOのナビで青梅市街に入り、ちょっとした渋滞を抜ける頃には空が暗くなってきた。目的地に近づくと古い映画看板が掲げられた商店街にさしかかった。黄昏時だとまるで三丁目の夕日の世界。
  
駐車場が見当たらなかったので休業中の証券会社の駐輪場を失敬して博物館へ。左隣は赤塚不二夫記念館。入口隣に「ボンボン亭」という水餃子の店があった。小腹が空いてしまったので博物館を見る前にそっちで先に食事。店主によるとまだ開店して数ヶ月だそうで、中学生くらいの娘さんが手伝いをしていた。店主がオーダー取った後、娘さんがジャスミン茶を持ってきて再度オーダーを取りに来てくれたのだが「注文しましたよ」と言ったら「ちゃんと書いたの? 言ってよ!」と店主が怒られていた。どっちが店主かわからない。なかなか頼もしい娘さんだ。
  
なんでも赤塚不二夫は満州出身で餃子作りの名人だったらしい。店主は直接関係があるわけではないのだが、縁あってこちらで店を開くことになったとのこと。ご本人とも話をしたことがあるそうで、テーブルの上にはフジオプロ謹製の切り抜きファイルが置いてあった。水餃子をスープ餃子にしたのは店主オリジナルだそうで、私は坦々麺風、mo氏はキムチチゲ風(ランチセット各500円)をオーダー。ワンタンに近い感じだけど雑穀米との相性バッチリ。ご飯以外にもスパゲッティやそうめんが選べるとのこと。前者はミネストローネ風、後者はココナッツカレー風におススメと店主。食後の焼きプリン(+200円)も甘さ控えめカラメルほろ苦と絶品。この日一番のご馳走だった。青梅の新名物となりうるか。

で、食後博物館に寄ろうとしたら「5時で閉館でーす」と5時前に閉められてしまった。私が食い意地張ったばっかりに・・・すまん、mo。その後は滝山街道を並走し、別れる前に八王子のファミレスで小一時間ほど雑談。数年ぶりにゆっくり話したけれど、前と同じように話せるから旧友っていい。名残り惜しいがまた次回のツーリングを約束して帰路に就いた。
  
今回のツーリングの走行距離は300キロまでは行かなかったが、ようやくバイクの総走行距離が10,000キロ超え。まだまだこのバイクが本調子になってくるのはこれからだろう。

閉館間際に青梅赤塚不二夫会館で買ったハガキがなかなかいい感じ。たしか猫の名は菊千代じゃなかったかな? と思ったらそうだった。ボンボン亭の店主が色々話してくれたけれど、赤塚不二夫って人を楽しませる天才だったのだろう。しかし優しい、いい顔だなぁ。

しかし年取ると疲れが遅れて出るものだ。1日遅れでなんかどっと来た・・・

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