暗い話はここに書くまいと思っていた。中華街の外れにある揚州商人の醤油ワンタン麺とか、聚楽の月餅とか、そんなことを書こうと思っていた。でもそんなもの、すっ飛んでしまった。
実は今日、西横浜にある友人の墓参りに行ってきた。一応、親御さんには許可は得ているが、不定期に訪れては勝手にやっている。「平成7年、享年26歳」と墓石にある。同い年だった男だ。墓前には枯れかかってはいるが、そんなに日は経っていない花が添えてあった。以前親御さんに電話した時「毎週通ってるんですよ」と言っていたのを思い出した。墓前でしばらくボーッとしていたが、もう涙は出なかった。
すっ飛んだ原因は別にある。墓参りに行く前にPHSを確認したら、このサイトのメールフォームから投稿されていたメールが到着しているのに気づいた。日付は昨日の朝。以前勤めていた職場の同僚からの初めて来たメールだった。訃報だった。
同じく同僚で、度々連絡を取り合っていたが、ついメールの返信を忘れていて、こないだ「すまん忘れてた」とメールを送ったその送付先の人が亡くなったという。信じられなかったが、そんな悪趣味な冗談は絶対言わない人からのメールだから間違いはないだろうと思った。でも信じたくなかった。以前から墓参りは計画していたことなので確認は後にしようと思った。中華街に寄ってささっと買い物を済ませ、家に戻ってからその人に返信した。本当だった。
2日に亡くなったそうだ。通夜は今日。死因についてはわからない。死んだ彼が最後にメールを送ってきたのが3月26日19時24分。私がそのメールに返信したのが4月5日1時38分。何があったのかわからないが、何とも悔しい。
肝臓を壊して以来、滅多に酒は飲まないのだが、今日は飲まずにいられない。