突然メインで使っているPCのHDDが吹っ飛んで、仕方なく新しいHDDを買ってきて換装するなどしたのだが、結論から言うとメインマシンは復活できなかった。元のHDDはWesternDigital製のパラレルATA 320GBだったのだが、今やパラレルは絶滅種。一応シリアルATAにも対応しているマザボなので新品の日立製1TBを買ってきてみたのだが、何度つなぎ方を変えてもWindowsXPのインストーラで「ハードディスクが接続されていません」と出る。BIOSではブートディスクで確認できるから認識はされている。RAID関係のBIOSには入れなかったのでそのせいかと思ったが、どうやらS-ATAが二世代目となっていたことが原因のようだ。S-ATA2は転送スピードが第一世代の倍になったためにマザボのバススピードとコンフリクトするらしく、古いPCでは認識しないらしい。強制的にHDDの転送スピードを下げる方法もあるようだが、買ってきた日立のHDDには変更のためのジャンパピンもなく、別のWindowsマシンを用意してソフトウェアで書き換えなければならないらしい。もうこのPCの再生は諦めた。

 かといって別に世を捨て山に篭って仙人になるのは避けたい。だいたい元々この秋にWindows7のマシンに買い換える予定だったのだ。だが先延ばしして「俺、今進行中の同人が終わったらWindows7にするんだ」などと考えてたら死亡フラグが立ってしまったようだ。心の準備がまだだったが、仕方なく先週某サイトでポチッて新しいPCを注文した。

 マシンが壊れるのははっきり言ってどうでもいい。困るのはデータの方だ。進行中の同人は1週間前にPhotoshopのPSDファイルだけDVDでバックアップを取ってあったのだが、その1週間の間に描いたCGのデータが丸々消失。これは落ち込んだ。同じものを二度描くことほど辛いものはない。何とかデータだけでも救えないかとCD起動のMaxtor PowerMax(ISOイメージ直接リンク)でS.M.A.R.T検査などをしてみたが、どうやら完全にエラーになっている。もう泣きたい。

 それでも諦めきれずにデータ復元のフリーウェアを探してみたらPhotoRecというオープンソフトを見つけた。使い方はGigazineの記事に詳しいので割愛。予備機のUbuntuをインストールしたマシンにダウンロードして解凍。壊れたHDDをATA-USB変換コネクタでUSB接続し、コマンドラインから起動。160GBずつに分割したパーテーションは生きていることを確認し、試しに復元させてみたら何個かのファイルが復元できることを確認できた。

 全部を復元すると膨大な量となるため、中断して拡張子psdのファイルだけを復元開始。ほぼ丸1日PCを回しっぱなしで復元を行ったところ、PSDファイルは691ファイル復元できた。だが私はこんなにフォトショでファイルを作った覚えがない。Photoshopのチュートリアル用ファイルだけでなく、どうやらゴミ箱に入れたものまで律儀に復元したらしい。それにフォルダはおろかファイル名は復元されていない。HDDにランダムに書き込まれたファイルを端から律儀に番号を振って復元しているようだ。それどころかファイルのヘッダ情報が壊れているらしく、プロパティで表示されるファイルサイズがデタラメ。覚えもないのに7GBを超えるファイルが復元されたりもした。おかげで足りるはずのディスクサイズが間に合わなくなり、途中で別のHDDに移したり、要らないものをsudo rm(復元されたファイルはroot権限なので、Ubuntuの場合はsudoしないと消せない)したりで目が離せず大変だった。

 そんなこんなでほぼ2日かけたが結局消失したファイルがどれだかわからない。先述の7GBのファイルはGimpで開けたけれど、ステータスに表示されるファイルサイズは数百MB。数百MBのファイルも開くと数百KBだったりする。ファイルサイズがアテにならないから開いてみないとわからないのだが、非力なマシンなのでGimpで開くのに時間がかかる。互換しないファイルは開きもしない。もう確認するのもあきらめた。新しいPCが届けば開かなくてもサムネイルで確認できるだろうから、それまで外付けHDDに残しておくことにした。

 そういえば以前にもHDDが吹っ飛んだときがあったが、そのときはネットで見つけたシェアウェアの復元ソフトでほとんど全部ディレクトリ単位で復元できた覚えがある。新しいPCが来たらそちらも試してみよう。

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