第1回からなかなか進まなかったスノータイヤリア編。第2回第3回とトラブル続きだったが今回でようやく完結。なんとか年内にスノータイヤを装着できた。仕事が忙しかったせいもあるが、タイヤ購入から2ヶ月はかかりすぎ…

前回、右のアクスルナットが緩まなかったのは、おそらく制動時にナットが締まる方向(右回転)に、長年時間をかけて力が加わったのが原因だろう。

ホイールが右回転(青)しているときにブレーキを作動させると、車軸側は逆方向に抗う力(赤)が働く

ブレーキをかける度にホイールに右回転の力が大きくかかるから、徐々にナットが締まっていったと考えられる。左の場合は逆に緩む方向の左回転となるため、ナットが緩み気味になっていたのかもしれない。どちらにしてもホイールは固着しないよう、たまには脱着した方が良さそうだ。

Amazon で購入し直したソケットは、信頼の KTC(京都機械工具)製。カタログデータでは外径32.5mm。前回使用した PROXXON は差込角 3/4、同 24mm のソケットで、外径は32mm。

工具って機能美がしゅごい
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私は TONE 推しなのだが、前回 TONE が大きすぎて失敗したし、他に 100mm 長のラインナップがなかったので仕方ない。ソケットには6角と12角があるが、相手は高トルクのかかっているアクスルナット。角をナメやすいだろうから6角をチョイス。KTC のソケットは角ではなく、面接触のパワーフィット形状でネジがナメにくくなっているらしい。TONE も同様の形状でストロングドライブと呼んでいるみたい。

KTC ホームページより抜粋。左が12角、右が6角。角は円く直線部は内側に膨らんでいる

今回は緩みやすくなるよう、昨夜ラスペネを振りかけておいた。作業前にもう一度ブシューッと振りかけ。

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60センチのロングラチェットにソケットをはめ、気合いを入れてレディ、ゴーッ!

カチコミにも使えそう

今度はすんなりホイールの穴に入った。実測しても KTC のカタログデータ通り外径 32.5mm でジャストフィット。

100mm長のディープソケットでギリギリ
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STRAIGHT のラチェットレンチも強度十分。だが緩めようとレンチを動かすと、フレーム下をバイクジャッキで2点支持して、通常より動かないはずの車体が暴れ始める。

ステップボードに片脚を乗せて車体を押さえつけたら、今度はロックされているはずのリアタイヤが空転。ナイロン製の結束ベルトを持ってきて左ブレーキレバーを縛り、後ブレーキを固定。

先日取り付けたハンドルカバーが邪魔に

レンチが折れないかと最初は恐る恐るトルクをかけていたが、まるで緩まる気配がない。覚悟を決めてこれでもかとラチェットに足をかけて体重を乗せたところ、

ギャキィッ!

という金属音。一瞬、ナメたかと思ったが、確認したらようやくナットが緩んでいた。うへえ、よかったぁ(ヘナヘナ~)←腰の力が抜ける音

外れたUナットは外側がナメ気味。こないだスピンナーハンドルを折ったときか、それとも元からなのか。何にせよ今回は用意していないので、後日新品に交換しよう。

KTC じゃなかったらどうなったことやら…

もし緩まなかったり、ナットの角をナメてしまったら、ハブボルトからホイールを外して、ナットブレーカーなるものでナットを割るしかないようだ。で、ジャイロの場合は結構あるあるらしい(怖)

ホイールが外れてしまえば、あとは片側でやったことを繰り返すだけ。イッツ・ソー・イーズィー、ザ・ピース・ォヴ・ケイクッ!(なぜカタコト英語)

右後輪をパンタジャッキでアップ。結局、妹からの借り物パンタジャッキは使いにくかったので、自分用に新しく買い直した。

持っているエアコンプレッサーと同じメルテック(大自工業)製

ブレーキ交換については前回やったのでサクッと割愛。

撮ったつもりでこの後の写真が撮れていなかった…

あとでUナットを購入するため、ネジの規格をピッチゲージとノギスで調べておいた。M16 のピッチ 1.5 なので細目ネジだ。

ピッチゲージも新しく買った

JIS 規格でメトリックネジは山の角度は60°と定められており、ピッチ(山の間隔)は並目(なみめ)と細目(ほそめ)の2種類がある。通常は並目ネジが使われるが、細目は精密機械や高トルクのかかる所に使われることが多い。ちなみに M16 の並目ネジならピッチは 2.0。

ブレーキシュー交換もサクッと済ませたらグリスアップしてからホイールをセット。ワッシャーとハブナットを入れて仮締めしたらあとは本締め。トルクレンチをメーカー規定の128N・mにセット。

これで128N・m
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締め込んで「カチッ」と軽快なクリック音がしたらOK。串カツのソース同様、二度締め禁止。感覚だと「え? こんなもん?」ってぐらい浅く、意外と締め込まない。やはりカンでやるとオーバートルクだな。前回トルクレンチでチェックできなかった左側も締め直し。

次にRピンの挿入。

「R」の形もそうだが「β」の形にも似ているからβピンなどと呼ばれることも

奥まったところにあるので、車軸の横穴にピンを引っ掛けて差し込むのは難しく、20回ぐらいトライ&エラーを繰り返したが、1回成功したらもう片側はラジオペンチ1本で一発挿入。

何回も中に落としちゃ拾いの繰り返し

コツは軸の横穴に先端を引っかけ、Rのはらいの部分をラジペンでつまんでグワッと思い切り引っ張ってピンを拡げる感じ。

これで万が一ナットが緩んでも、ホイールが外れることはない

センターキャップを差し込んでようやく作業完了、感無量。側面にタイヤワックスを塗って、ツヤツヤ黒光りに。

ハミ出しているから雨雪を周りに巻き上げそう

走ってみたところ、ブレーキの鳴りはなくなってガチッと止まるようになった。とはいえ、トータルで制動力が上がったかというと微妙。効き始めが早いだけで制動距離は縮まっていない気がする。でもキーキー音がなくなっただけでも気分がいい。

乗り心地は以前よりタイヤが柔らかくなった分、ソフトになった。元のタイヤが古かったせいもあるが、路面の凹凸の突き上げや振動が少なくなって静かに。本来なら雪用タイヤの方がうるさいはずなんだが。春になったら夏用タイヤも新調しようかな。グリップについては連続S字コーナーを攻めてみたら逃げたりヨレたりせず、しっかり地面をつかんでいた。雪上や凍結路の性能については、雪が降ったら後日ここに追記しよう。

何より自分でキッチリ整備したので安心感が違う。なにせ先日まで針金で止めてあったしな!(以前までのオーナーへの怒りがフツフツ)

雪でもめっちゃグリップしそうなオーラ

さあ雪よ、いつでも来い! かかって来いやぁッ!! オラァ!!!

…いやドカ雪はマジカンベンなので、ほどほどによろしくお願いします(超弱気)

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