ウチの猫はどかない。そのくせ人がよく歩くところに寝そべる。たまにジュータンに同化していて踏んづけることもある。踏んだ瞬間グニッとして「フギャッ!」って言うので体重をかける前に離すけど。コタツの布団も要注意だ。布団の下に尻尾が隠れていることがままある。コタツの奥から「シャーッ!」と言うが、それでも出てくることはない。全くどこうという気配がない。
歌舞伎役者のように摺り足で歩けば踏んづけず、チリトリのようにすくい上げることができるかもしれない。いや面倒だ。足元確認しながら歩くのすらめどいのに。足蹴にすればどうせ猫は成田屋のようにニラミを効かせるだけだ。避けた所で感謝すらされない。というか人間様が何故猫に媚びねばならぬのだ。ええい、お前らがどけっ。
なのであまりに邪魔なところでリラックスしてたら背中を蹴る。動物虐待じゃないぞ、これは文学だ。