季節の変わり目になると出る持病で、このところ首の付け根と肩関節が猛烈に痛くて練習休止中。とはいっても普段もそんなマジメに練習してはいないが。ちっともヴァイオリンが上達しないわけだ・・・(ブツブツ)・・・などとグチばっかり書いててもしゃあないのでたまには役に立つ記事を。
こないだ鈴木「大砲」号の弦をインフェルドの赤に張り替えてもらった。新品の弦は伸びやすく2、3日は落ち着かない。何度も調弦しているうちに糸巻き(ペグ)の角度が気に入らなくなってきたので弦を巻き直した。
長年ヴァイオリンを習っている人でも知らない人が多いが、糸巻きの角度を合わせてやると片手で調弦がしやすくなる。ベストの角度は人によって異なるとは思うが、私は指板に対し45~90度ぐらい。左側のG/D線の糸巻きの向きが揃っている方が回すときに干渉しにくい。3枚目の写真のように中指と薬指を渦巻きに添えやすくなり、微妙な加減も慣れれば片手だけで行えるようになる。
弦の種類や楽器によって長さが違うので、糸巻きの穴からのはみ出し量はトライ&エラーでやるしかない。でも何度も巻き直しをすると弦の寿命が縮むので1本ずつ時間をかけて慎重に。新品に張り替えたときは若干伸びることを考慮しよう。
引き出す時はピンセットなどを用意しておくとやりやすい。はみ出しが多くなることもあるが、箱の中や他の弦に触れるとビビリ音の原因となる。切ると端がほぐれやすくなるので切らない方がいいという人もいるが、私は邪魔臭いのでニッパで切ってしまっている。
巻き方も雑にするとピッチが狂う。最初のひと巻きは穴からはみ出した弦の反対側でひと巻きして緩み止めにし、弦の上に重ならないようコイル状に均等に巻く。張り終わったら指板の上で弦を軽く引っ張っておくと締まってピッチが安定しやすくなる。また弦を張り直すと駒の角度も狂ってくるので、直角がちゃんと出ているかも要確認。駒が表板から浮いていたりすると音もマトモに伝わらないし、角で表板に傷がつくし最悪駒が倒れてしまう。
糸巻きの回りが渋かったり、逆に緩かったりするときはペグソープをあらかじめ塗っておくとスムーズになる。だが木工製品は年月で狂ってくるものなので、あまりにひどい時は素直に弦楽器工房に出して修正してもらった方がいい。きちんと調整された楽器は驚くほど音が合わせやすいので。
調弦にストレスを感じてしまうと音程に対する意識も低くなってしまい、音を正しく取る練習の妨げになる。音感を鍛えるためにも神経質になるぐらい楽器のコンディションを気にしよう(偉そうだな)。