アントニオさんに出していたヴァイオリンが戻ってきた。2挺も出したのに覚悟していた費用の半分で直ってしまってびっくり。弾くとノイズがキレイに消えていて二度びっくり。
左の鈴木楽器製作所製(制作年不詳)の方。見た目に不具合はないのだが、まったくメンテナンスされていなかった個体なので音に角が目立ち、弦が高くて押さえ辛かった。しかしアントニオさんの調整ですっかり別物に。いつ張ったかわからない中国製の弦からトマスティーク社のインフェルド赤に張替えてもらったのもあるが、弾きやすく大きな音の鳴る楽器になった。今後これをパガニーニの愛器ガルネリ「カノン」にあやかって大砲とでも呼ぼうか。
右のヘフナーの5弦エレアコヴァイオリン(1993年製)も購入以来これまたメンテされていない楽器。裏板を叩くとポコポコと異音が鳴っていた。アントニオさんに持ち込むと「私がこれ欲しい」と言いつつこの異音に首をひねっていた。でもさすがアントニオさん、戻ってきたらすっかり異音が消え、5弦すべてがバランスよく鳴るようになっていた。C線の共鳴がヴィオラともヴァイオリンともつかない妙なニュアンスを出して不思議な音色。今まで弾いていなかったので楽器が鳴り切らず音は小さいけれど、しばらくは鳴らしまくって眠っているのを起こしてやらねば。ではこちらは眠れる獅子とでも呼ぼうか。
ヴァイオリンは弦を交換するだけでも音が変わるから楽器の個体差がすごい。それぞれに一長一短があるため、それぞれの個性を引き出すにはテクニックが必要だ。そのため取っかえ引っかえ弾いていると自分のいい加減なところが音に出るので自分の弱点がわかる。一人で何挺も持ってバカみたい(実際バカ)だが、そういうメリットも一応あったりする。とはいえ今月給料出たらまた2挺出さないと・・・やはり楽器が複数あると大変。