イタリア新作楽器こないだの3連休+1日有休を取って皇居のそば、北の丸公園の科学技術館で毎年開かれる、弦楽器フェアに2回行ってきた。

知り合いの楽器商の方が毎回出店していて無料招待券を頂くのでそれをアテにしていたが、会場でその方と連絡が取れなくて、係員の方に伝言をお願いしてなんとか入場。ふー、危なかった(優待券も持ってはいたけれど)。

初日はヴィオラのミニコンサートがあるのでそれも目当て。ヴィオラのソロは珍しいので、なかなかこういう機会でもないと聞けない(探せばあるだろうが、ものぐさなもので)。今回のヴィオリストは柳瀬省太氏。ピアノ伴奏が柳瀬直子氏って、今調べたら姉弟らしい。

以前にも書いたが、このコンサートは新作楽器で演奏が行われる。司会の和服のお姉さんが「上の会場にて試奏できます」と言うように、いわば楽器の販促活動。したがって奏者は鳴り方も大きさも違う楽器を良い音に聞こえるよう、柔軟に対応できる技量を持ち合わせている必要がある。特に新作楽器はエイジングされていないので鳴りが悪いはず。最大限楽器を鳴らすために動作を大きくしないとならないから、ヴィオラをたまにいじる私は見ていて勉強になる(買う気ゼロ)。

聴いていると各々の楽器で個性があって面白い。低音がクリアに響くか重く響くか、高音が乾いているかしっとりしているか、優等生的だけど音量の幅が狭いか荒削りだけどダイナミックであるか、など各々一長一短がある。それに鳴りの悪いものは奏者の動きが大きくなるのでわかりやすい。恐らく曲も楽器の向き不向きでチョイスして、なるべく差がないように聞かせているのかも知れない。などと、いちいち裏読みしてしまう私。

出入口が1ヶ所しかない柳瀬氏の演奏は派手に体を動かさないタイプ。だがよく見ると左右に足踏みをするように、わずかに重心を移動していた。振り子運動のように全身を使い、右腕に体重を乗せて大きく弓を動かさないと、やはりヴィオラは鳴ってくれないようだ。顔を楽器の方に向けず、頬に近い所で楽器をホールドすれば右腕が大きく使えるみたいなので、柳瀬氏のスタイルは今度真似してみよう(見よう見まねじゃちゃんとできないだろうが)。

しかしこの地下にあるコンサート会場、恐らく講演用なのか演奏会に向いていないようだ。音響が悪いし、空調もうるさい。そして鳴らない楽器とくれば、奏者には相当負担がかかるだろうなぁと思った。

目当てのコンサートも聞けたので、用事のためにこの日は2時半には会場を後に。なんか今年はずいぶんと会場が小さくなったなぁと思っていたら、実は奥に続きがあったことに帰宅してから気が付いた。むしろ行っていない方に見たいブースが多かったので、仕方なく1日置いてまた3日目に来場した(チケットは首からかけるタイプで、期間中ずっと使用できる)。馬鹿だなぁ。
何門だっけ? 挟まれている細かい石って元から? 何もできない公園
初日は用事があってバイクだったが、3日目は別の用事があったので電車で。九段下から降りて行ったのは初めてで、前もって地図で確認して近いだろうと思っていたらとんでもない上り道。江戸城の城跡のため、敵に攻められにくいよう、わざと遠回りに険しく作ってあるのだろう。妙に距離のある階段で汗だくに。なんか妙にこの日は暑かったし。
段差も大きい わかりにくい会場の構造 一番上、多分数千万
会場に着いたら汗が次から次へ噴き出し、一部の試奏楽器の顎当てをしっとり濡らしてしまった。我ながらひどい。汗が引いた所で初日に行かなかった4~7号館を回って、色々なものをもらったり買ったり、ヘタクソな試奏をしてきた。今回興味深かったのはクロサワバイオリンのシンセティック弓毛。馬毛でない合成品なのだけれど、見た目も試奏でも全く不自然に感じなかった。カーボン弓にも高級品が出てきたし、色んなモノがどんどん新素材に置き換わっていくのだろうか。
試奏自由とは言うけれど 半製品? 材料も売ってたり
と、そんな感じで初めて2日(といっても半日×2)通って堪能した弦楽器フェア。帰り際にチケットを頂いた楽器商の方に挨拶に行ったら、変なものを持たされてしまった。
知り合いの楽器商さんのブース 戦利品 なんか持たされた
さてその正体とは・・・書けたら次回に続く。

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投稿者 mezzo forte

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