2年前に購入し、3,500km 走ったジクサー150。いよいよタイヤがダメだ。こないだ雨の日に前輪がズルッと滑ったし、よく見りゃスリップサイン。

まだ溝はかろうじてある

タイヤの製造年を見ると、2017年かぁ…なるほど、新車取付時のままかーいッ!

枠内の「5217」は17年の52週目(年末)に製造という意味

後タイヤにもところどころヒビが。こちらは製造年不明。購入時12,500kmだったから、1回ぐらいは替えているとは思いたいが、もしかしてこのジクサー、6年間で一度もタイヤ交換されていない? 高速道路走ったらバーストしちゃうんじゃない? こわいこわい(って、ジャイロはもっと古いのを履いているが)。

溝はあるが、溝の中とサイドに細かくヒビ割れ

純正タイヤは両輪ともダンロップ。前輪はバイアスタイヤの K275 100/80-17。後輪はラジアルの K510B 140/60R17 を履いているが、これはリム幅 3.5J に合わせたジクサー150(’17~19年 NG4BG)の専用品(メーカー型番 325843)。そのため他メーカーにはこのサイズがない。以前はブリヂストンの BATTLAX RADIAL BT-92 でこのサイズがあったようだが、今は BT-92 自体が生産終了。

なお2代目ジクサー(’20年~ ED13N)もタイヤサイズは一緒だが、リム幅が 3.5J から 4.0J に変更されているため、また別モノらしい(メーカー型番 353347)。ややこしい。

本来なら純正と同じにすればよいのだが、私はダンロップのタイヤが好きではない。というのもダンロップのタイヤはプロファイル(断面で見たR)が尖り気味。V字にするとコーナーリングのグリップは増すだろうが、バイクを傾けた時の挙動が急に変わるので、体が重めの私だとヒヤッとする。なので昔からサイズが同じなら、ブリヂストンの BATTLAX BT-45(ツーリング用タイヤ)一択だった。

オートレース用タイヤ、ダンロップ KR-73 はオーバルコース用で極端なV字

そんなブリヂストン推しの私だが、最近 IRC(井上ゴム工業)が気になっていた。私は聞いたことがなかったので新興メーカーだと思っていたのだが、実は創業が大正15年。100年近い歴史のあるゴムメーカーで、ブリヂストンより古い。バイク用タイヤでコスパが良いと聞いたので、試したくなった。友人の mo からは「スベルカラヤメトケ」と言われたけれど。

前タイヤは IRC RX-02 100/80-17 M/C 52H TL をチョイス。純正タイヤと同サイズでバイアスだし、同サイズの国産メーカーよりも安価なのもいい。

IRC RX-02 は溝が細かく入っていて雨の日も安心?

後タイヤは許容リム幅と外径に合わせ、同じ RX-02 の 130/70-17 にしようかと悩んだが、タイヤが細くなってしまうので、ちょっと高めだけれどラジアルの RMC810 に。IRC のホームページの説明では RMC810 は以下のようなプロファイルで、尖ったタイヤが苦手な私にとっては理想的。

IRC ホームページから借用

純正タイヤと同じ 140/60R17 はないため、ワンサイズ大きい 150/60R17 M/C 69H TL をチョイス。幅が大きくなってもフェンダーやスイングアームとのクリアランスに余裕はあるし。他のホームページで2サイズ上のタイヤを履いている人もいたので問題ないだろう。

取付後、全然余裕

というか昔乗っていたホンダ VT250F の後タイヤは標準の 110/90-17 から 130/70-17 に2サイズアップしていたし。むしろサイズアップしたらグリグリにグリップして気持ちよかったし。

VT250F に履いていた BATTLAX BT-45 130/70-17
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ただしジクサーでタイヤサイズを変える際の問題は外径。ジクサーはドライブスプロケット付近に速度センサーがついていて、後輪のタイヤ外径が大幅に変わるとスピードメーターが狂ってしまうらしい。

ダンロップ K510B 140/60R17 の外形寸法は 608mm、IRC RMC810 150/60R17 の外形寸法は 613mm と5ミリしか変わらない。RMC810 の許容リム幅 4.0-4.5J からジクサーの 3.5J に押し込めた分、外径が若干大きくなることを勘案しても、スピードメーターの許容誤差に収まるだろう。ジクサーに車検はないが、スピードメーターが狂うと自分が困る。

IRC ホームページより引用

タイヤの発注と交換作業は、このジクサーを購入したはとや(埼玉県内でチェーン展開するバイク店)に依頼。ネットの価格から見るとかなり割高(工賃込み 50k円弱)になったが、購入下取り時によくしてくれたのもあるし、定期点検も兼ねるなら高くは思わない。普段から自分で整備はしているが、プロの目で見たら不具合が見つかるかもしれない、という期待もある。

はとや川越店

タイヤだけネットで安く買って、交換作業だけ依頼するのもアリだろうが、実はバイク屋って作業工賃だけではそんなに儲からない商売。やはりモノ売ってナンボだが、どうしたってネットの激安には敵わず、苦戦を強いられているようだ。

それに電子制御が主流になった今のバイクは街のバイク屋には手に負えなくなってきて、メーカーも一部車種はそういう小売店に卸さなくなった。特にホンダなんか高級バイクは全部ウィング店でしか売らなくなった。メーカー独自の ECU 診断ができないと修理もできないかららしい。

そのうち中小のバイク屋は淘汰されて、メーカー直販店とレッドバ○ン、バ○ク王しか残らなくなるかもしれない。でもこういう店がなくなると古いバイクを見てくれなくて困るから、少しでも応援しなくては。

店内で昭和っぽく色褪せた「ゆるキャン△」ポスター

はとやにはメールで上記タイヤを指定し、見積金額のまま値切らず振込み。企業努力なんてクソ喰らえ。その努力の裏で誰かが損をして、それが回り回って商品やサービスの質が落ちる、賃金が上がらないのに仕事が増える、などのように自分に返ってくるのだから。

後日はとやからタイヤが届いたとメールが来たので川越へ。来店してジクサーを預けたら、向かいの肉の万世で遅めのランチ。お替り自由と聞いたのでご飯2皿食った。平日ランチはドリンクサービスだというので、食後のアイスコーヒーを飲みながらこのブログの下書き。

ミックスグリル目玉焼きトッピングでプチ贅沢

作業は2~2.5時間かかると事前に言われていたが、実際は1時間半ぐらいで終了。平日のせいもあるかな? 土日が仕事だとこういう時に得だ。

新品タイヤならではのツヤの RX-02
まだ残る識線(製造上のライン)がまぶしい RMC810
前タイヤ RX-02 の製造は24年24週なので先月か?
RX-02 の二つ名ってロードウィンナー? 焼いたらおいしそう
後タイヤ RMC810 の製造は24年33週、まだ出来立てホヤホヤ
ちょうど帰り道で 16,000km 達成! あんまり走ってないなぁ…

で、タイヤ交換直後のインプレ。走り出しはゴツゴツするなぁと思ったのだが、しばらくするとタイヤがホイールになじんだのかギュッと地をつかむように。あと後タイヤ RMC810 の挙動は意図した通り自然な感じになったのだが、それに対し前タイヤ RX-02 は挙動がクイックになったので焦った。要はそれだけ前タイヤが平らに減っていたのだろう。少し走ったら慣れたし、まあ普通にグリップするので安心感はケタ違い。

帰り道で少し攻めてみたが、皮むきはまだまだ

というか元々のタイヤが古すぎて、比較もクソもないかと。XJR1300 の時はタイヤを新品に替えたらグリグリにグリップして感動したけれど、SOHC 154cc を全開で走らせてもタイヤがギュイギュイしないからねぇ。と言いつつ、帰り道のコーナーリングでグリグリ攻める私。

バランスウェイトに苦心のあとが…

家に着いてブログ用に写真を撮っていたら、きっちりホイールバランスをしてくれたらしく、後輪にやたらとウェイトが付いていた。IRC のタイヤがセンター出ないのか、それともインド生産のホイールだからか。たぶん後者かな? メイドインジャパンを信じたい。

これでどこまでも行けそう

やっぱり新しいタイヤは気持ちいいね! 安心して倒し込めるバイクになったことだし、そろそろ峠を攻めツーリング行きたいなぁ…

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