今年5月にヤフオクで購入したジャイロキャノピーが、ようやく走行距離 35,000km に達した。
ヤフオクで購入時 33,500km ちょいだったので、私の手元に来て 1,500km ほど走ったことになる。メーター改ざんはないと思うが、22年でこの距離は少ない方だろう。
今までの投稿を振り返ると、とにかく修理しまくって何とか維持できている感じ。それでもまだまだ整備が足りない。というか直すと別の所が壊れるし。
職場では「そんなに部品交換ばっかしてっと、そのうち全部入れ替わってんじゃない?」などと言われる始末。テセウスの船かっ。私は修理やレストアが好きなわけではないのに、なんでこんなバイクを買ってしまったのだろうか。
こないだ仕事中、暑い日に社用車で国道を走っていたら、ミニカー登録にカスタムされたジャイロキャノピーが 60km/h 出せずにトラックに煽られていた。自作のサンシェードや扇風機を装備してはいたが、炎天下で運転するおっさんはTシャツを肩までめくって暑そうだった。普通に冷房の効いた軽に乗ればいいんじゃね? と、他人事のように思ったものだ。
座り心地の悪いイス。冷暖房なし。大雨だと用を足さない屋根とシールド。遅くて公道では走るシケイン。でもそんなバイクに金と情熱を傾ける人が結構いるようだ。
ジャイロの修理のためネットを漁っていると、改造ジャイロがよく出てくる。キレイにメタリック塗装されたものや、レトロ風のツートン塗装で丸目1灯とか、チョップトップ(支柱とシールドをブッタ切って屋根を低くする)など、真似したくなるものもあれば、極太タイヤにかち上げマフラー、ネオンでギラギラ、爆音でドリフトみたいなやり過ぎなものも。
こういう人達はもしかするとハーレーのトライクに憧れて、予算の関係で仕方ないからジャイロで我慢しているのだろうか。
よほど稼いでいるならともかく、子どももいる旦那さんが奥様に「ハーレー買いたい」なんて口に出そうものなら、顔面グーパン食らってしまうだろう。ジャイロなら「お使いにも行けるから」などと言えば奥様も許してくれるかもしれない。そして気付かれないよう、徐々にジャイロに手を入れ、気づいたらハーレーに置き換わっているという寸法だ。ンなわけないか。
子供の三輪車と一緒で、やはりオモチャなんだろう。頑丈だし中古だと安いし、アフターパーツも結構あっていじりやすいし。それで公道を走れるんだから最高じゃないか。
でも私のジャイロはあくまで会社に行くための通勤車。クルマより維持費は安いし多少の雨ならしのげるし、本当に「足」として機能すれば良いと思っている。とはいえ途中で壊れると困るので最低限、機関だけは好調を維持したい。
ということで、今後のジャイロ整備の方針はラットスタイルで行こうかと。
ラットスタイル(Rat Style)とは自動車などのカスタムのジャンルのひとつ。ドブネズミ(rat)のようにあえて外観はボロボロのままにして、エンジンや足回りはきっちり整備して動くようにしているもの。バイクの場合はラットバイク(Rat Bikes)などと呼ぶそうだ(→Wikipedia)。
大友克洋の短編集「ショートピース」の中にボロボロの車を操って峠で賭けレースをして稼ぐ男の話があって、実は外車にも勝てるエンジンを積んでいるのには憧れたものだ。
色々いじってはいるが、外観は極力いじらない。というかいっそサビっぽく塗ったり、ウェザリング(プラモデルの技法で「汚し」のこと)を施したりするのもいいかもしれない。そんな見た目なのに中身はキッチリ整備してあるどころか、走ったら速い。最高じゃないか!
でも私のジャイロは現状、信号待ちで先頭になったときに後ろから車にあおられたり、高齢者が運転する軽自動車に抜かれたりする。せめてスタートダッシュを何とかしたい。
いっそジャイロに映画「ワイルドスピード」や「トルク」でおなじみの NOS(ナイトラス・オキサイド・システム、俗称:ニトロ)を積んでやろうかとも思ったりするのだが、いやいやそれはやり過ぎか…というか魔改造ジャイロよりタチ悪いわッ!
まだまだ直したいところや、いじりたいところがいっぱいある私のジャイロキャノピー。外でエンジンをバラしても熱中症にならないぐらい、早く涼しくならないかなぁ…