ヴィオラの滑り止め(たぶん完結編)

以前のエントリーで色々な素材でヴィオラの滑り止めを試したが、私にとってのベスト・オブ・滑り止めは自動車用品の滑り止めマットに決まり。ひと月近く試したがこれといった不具合もなく、これが一番服の素材も選ばずホールドしやすかった。

第2候補であったセーム革は洗濯機で2回洗ったら臭いは収まったが、滑り止めマットに比べるとやや摩擦力で劣る。まあこれはこれで磨き布として再利用しているので無駄にはならなかったが。なおセーム革は初回の洗濯時やたらに細かいケバが落ちるので、色の濃い服と一緒に洗うと大変なことになるので注意(やって泣いた)。というかそもそも洗濯機で洗うものじゃないかもしれないが。

滑り止めマットの一番の懸念だった樹脂のこびりつきについては皆無。とはいえTシャツ1枚で弾いたあとは蒸気になった汗が裏板に網目状に付くし、新作楽器の柔らかいニスでは痕がつくと思われるので高価な楽器に使うのはオススメできない。このマットを自動車用品として使っている人(いやそっちが正しい使い方)に聞いたら直射日光や高温で粘着力が低下するらしい。洗えば多少は粘着力が甦るようなので、安いものではあるがボロボロになるまで使い倒そう。

さて前回のエントリーの Good Job! でこのようなメッセージを頂いた。

2011-06-22 02:50:41
なぜ肩当を使わないのですか?

「肩当て」とは楽器の裏板に固定して使う「下駄」のこと。さらに以前のエントリーで肩当てを取っ払ったことを書いたのだが、それから1年経って今ではヴァイオリンについては肩当てなしで全く問題なく支えられるようになっている。そのためヴィオラに使うのはちょっと抵抗がある。

さらにヴィオラはヴァイオリンより厚みがあるので肩当てのような下駄を履かすとさらに首を大きく伸ばさなければならない。私は首が太く短い方なので肩当てを使うと首に負担がかかる気がする。なのでアドバイスを頂いておいて申し訳ないけれど、私は肩当てを使わない方針で行くつもり。

でも肩当てには賛否両論あるらしく、どちらかというと肩当てを使わない人の方が少数派。肩当てなしだと楽器が若干動く。なので肩当て使わない派は楽器を自由に動かせる分、楽器の鳴り方を調整できるから表現力が増すと言っている。たしかにYoutubeなどでオイストラフやメニューインの演奏を見ると肩の開き具合で鳴りを調整しているのが確認できる。だが楽器が動くと支える左手の動きが制約される上、共鳴板となる裏板に体が当たるので響きが悪くなるという肩当て使う派の意見もある。また首の長さなど体型によっては肩当てなしだと不利な人もいる。プロの演奏家でも否定派と肯定派がいるので私なんぞが結論を出せるわけがない。

私の先生は使わない派。強制はしないけれど「楽器を試奏するときに肩当てが要らないと便利なのよね」と言って私に肩当てを外すのを勧めた。慣れるのは大変だったが、慣れたら弦楽器フェアに行ったときにその便利さを実感したものだ。試奏用楽器のそばに肩当ては用意されていたのだが、もしその肩当てが自分に合わなかったら気持ちよく弾けなかっただろう。複数の楽器をとっかえひっかえ弾いていると、肩当てを使用していた時はいちいち楽器のサイズや形状の差異のために肩当てを細かく調整し直していたものだ。だが肩当てなしに慣れるとその差異を「体が調整」してくれるようになったらしく余計な気を遣う必要がなくなった。これはすごく大きい。

何より私にとって肩当てを使わなくなって一番のメリットはケースから取り出してすぐ弾けるということ。以前は肩当てを裏板にハメる動作がわずらわしく、セッティングが合わないとすごくイライラしたし、ケースにしまってもカタンカタン動くので気持ち悪かった(布挟んどけばいいんだけれど)。

なので実を言うと楽器の間にマットを挟むのもスマートではないので少し抵抗がある。だが最近になって滑り止めマットをつけなくてもヴィオラを弾けるときがある。いつのまにかマットが下に落ちていても気づかないで弾いているのだ。どうやら滑り止めマットの効果で余計な力が抜けて正しいフォームで演奏できるようになってきたらしい。とはいえ未だフォームは安定していないし服の素材によっては全然ダメ。でもそのうちマットに頼らなくても弾けるようになれるかもしれない。

私は日々進化している。たぶん。というかそう思いたい・・・

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