もう2011年も半分過ぎちゃったのね。今回はキリ番でもなんでもなく、ようやくCB400SFを買ってから500km以上走ってあれこれ考えたという話。
このCBは購入時8,155kmと慣らし運転が終わったぐらいの距離しか走っていない。前オーナーがちゃんと回していなかったみたいなのでギヤも硬く、エンジンも若干かぶっているようだった。なので最近は出せるところでVTECがかかる6500rpm以上で回し、エンジンを目覚めさせるようにして慣らし直している。そうしたら燃費がすこぶる悪くなった。満タン時にトリップメーターをゼロにして、今回給油したときに14.30L入って走行距離は241.1km。結構飛ばしてリッター17km弱は優秀だと思うが、今時のハイブリッド車や軽には負けてしまう。まあ体重約0.1トンある人間を数秒で80km/hまで加速させるんだから比較するものではないと思うが。ていうか燃費を気にするなら400なんぞ乗らずにカブに乗るし。
私がバイクを新しくしたら母も欲しがったのか、突然クルマを中古で買い換えた。というかなぜこれまたホンダ? そういえばウチの親がホンダを買うのは1971年型の「1300-77」以来。77とは他メーカーがエンジンを水冷化させている中、本田宗一郎があくまでも空冷にこだわった1300ccセダンの野心作。ある日突然エンジンがかからなくなってそのまま逝ってしまったクルマであったが、私も父も独特のエンジン音が好きだった。
私は別にホンダのファンでもなんでもないのだがホンダばかり乗っている。本田宗一郎の思想とか理念とかは好きだし、外車のような個性がありつつ不安定さはなく耐久性に優れているから。ヨーロッパ製のスーパーカーがほとんどラゲッジスペース(トランク)などないのに対しNSXはゴルフバッグ2個が入ったというのは有名な話。でも一方友人が乗っていたBeat(軽オープン2シーター)はカサ2本しか入らない上、助手席が運転席より狭いという作り。なんでも助手席は女の子限定という設計だったらしい。割り切るところは割り切り、こだわる部分では妥協しないという設計思想はモノ作りをする者にはシビれる。とはいえ宗一郎の死後は合理化やらコストダウンやらなんやらで、幕の内弁当的なすっかりつまらないクルマ/バイクばかりになって昔のホンダ車の血脈は途絶えたかのように思っていた。
でもCB400SFを乗りこなしてきたらそんなの吹っ飛んだ。スロットルひねればVTECで4バルブが動作し、キーンという金属音と太い排気音を伴ってサイボーグ009よろしく加速装置になる非日常の乗り物。だがハンドリングは素直で低回転で2バルブになっても扱いにくくなく、燃費が良くなって日頃の足としての実用性も備えてあるところがホンダらしい(何せ当時世界一厳しいといわれた1970年代の排ガス規制を初めてクリアしたシビックCVCCを作ったのもホンダ)。足としての基本性能を満たしつつ、他社がやらないプラスアルファでハンドルを持つ者を未来の夢へと誘うホンダイズム。そう考えると初代CBに「ドリーム号」と名付けた宗一郎のDNAは受け継がれているのかな、とも思う。
最近は「ミニバン屋」と揶揄されて社内のモチベーションが下がってきたとのことで、久々に本腰入れてスポーツカーを作るらしい。私がそれに乗ることはないだろうけど、頑張って欲しいなぁ。