私が買うマンガは女の子が主人公のものが多い。というか何が哀しゅうて男のガキやオッサンの話を読まにゃアカンのや。やはりマンガ読むなら可愛いものを読みたい。だが流行や安易な萌えには走りたくない乙女オッサン心。
前から書こうと思っていて書けなかったレビュー2冊。まずは少年画報社ヤングキング「アワーズ」で連載中の近藤るるる「アリョーシャ!(1)」。幼い頃から暗殺者として軍で訓練された16歳の少女アリョーシャが主人公。東側の大国の大統領を暗殺するために日本の高校に留学生として潜伏したが、いざ暗殺直前に計画が頓挫。大佐の命により突然「普通の高校生」として余生を過ごすことになってしまうというストーリー。
暗殺の描写はリアルだしテーマは重いし1巻でもう3人死んでいるのに、「天からトルテ」の近藤るるるの描く女の子は個性的で可愛いくほのぼのとしている。それに超一流のスナイパーだった彼女が普通の生活を目指すために普通でない行動を起こすところが面白い。ケーキやあんパンなどのスイーツにカルチャーショックを起こすし、初めて友人ができてもそもそもアリューシャは友情を理解していないし、その友人は本人と間違えられて別の暗殺グループに狙われるし、西側の大国からFBIの天才少女が捜査のために同じ高校に留学してきたらなぜか仲良しグループになるしと、周囲を巻き込んでのドタバタが時にはシリアスに、時にはコミカルに描かれて息をつかせない。
姪とその母である妹もこのマンガはお気に入りで「続きはないの?」としつこく聞いてくる。私にとってもあずまきよひこ「よつばと!(11)」や、オオツカマヒロ「のりタマ(2)」とともに続きが待ち遠しい作品だ。
次に紹介したいのは久住昌之 作・水沢悦子 画の「花のズボラ飯(1)」。秋田書店の主婦向けのマンガ雑誌「エレガンスイブ」で連載している作品だ。夫が単身赴任中の30路の主婦がひとり自堕落な生活をしながら飯を食うだけという、一言で説明したら「何じゃそりゃ」というマンガ。しかし食うことにかけては「孤独のグルメ」で評判を博した久住の原作。そこにブラックなネタを可愛く昇華させることではピカイチなうさくん水沢が描くのだから面白くない訳がない。
30路の主人公「花」はダジャレを連発し、妄想しながらひたすら食べる。大きな事件も起こらずただ食べるだけ。だがとにかく食べる描写が秀逸で、大したものを食べていないのにシズル感がすごい。人間は美味しいものを食べればそれだけで幸せなのだ。またズボラなところがなぜか可愛い。おっさん2人が作ったマンガだからかとにかく可愛いのだ。日常のズボラ生活をここまで可愛く面白く描けるって、すごいマンガができたものだ(秋田書店のお試し読み記事はこちら)。
妹2人に読ませて反応が薄かったのは同族嫌悪なのだろうか? ちなみに私は妹と違って神経質な方なので、リアルに居たら多分耐えられないかも・・・でも可愛い!