雑草も緑のうちと思ってずっと放置していたのだが、庭に水撒きするときいつもホースが引っかかる草があった。邪魔なので抜こうとしたらチクッと痛い。よく見るとサボテンのようにトゲトゲしているし見覚えがない。これは直感でヤバイと思いネットで検索したらアメリカオニアザミという草だった。案の定、外来種で政府の要注意外来生物リストにも指定されている。いわゆる雑草界のブルーギルみたいなものか。
さらに検索してみると各自治体で見つけたらすぐ引っこ抜けとあるページが多くヒットした。どうやら繁殖力が強く、タンポポのように綿毛を飛ばして広範囲に種が拡がってしまうらしい。トゲが強いので駆除が難しく家畜にも影響を与えるとのこと。家の周囲を探してみたらあちこちにいっぱい生えており、裏には1m近くまで伸びて花をつけているものも。これはヤバイ。
抜こうにも葉にも茎にも花にもまんべんなくトゲがあり、根も太くて深いので簡単には抜けない。ボロ布を重ねてトゲが刺さらないようにつかんで引っこ抜いていたのだが、面倒になってきたので小さいのはガスバーナーで焼いた。こんなんが繁殖したら庭が歩けなくなってしまうと思い、小一時間ほどかけて文字通り根絶やしに。
ちなみにアメリカオニアザミは葉や茎に綿毛がついて鋭いトゲがみっしりついているので見分けは簡単。昔から見覚えのあるタンポポやオオバコは特に害がないので放置した。他にもヘクソカズラやカタバミがやたらに伸びているが、グリーンじゅうたんだと思って放置。これらも繁殖力がやたら強いのでいずれは戦いを挑まないとならないかもしれないが。
雑草は除草剤を撒けばおそらくイチコロなのだろうが、猫を飼っているのでそれはできない。実際ウチの猫は庭のイネ科の何かをよく食っている。人の家の庭に入って粗相するよりはマシと、雑草は伸びるに任せておく。ウチの庭にはほかにネコジャラシやメヒシバなどのイネ科、ハルジオン、ドクダミ、ミョウガなどがよく茂っているが放置。
とはいえセイタカアワダチソウなどは見つけ次第引っこ抜いている。帰化植物の放置はさすがに生態系に影響が出てしまうし近所迷惑。手入れはしていないように見えて一応最低限はやっておかないと。おかげで妙に植物に詳しくなってしまった。
しかし改めてよく見ると今年は見慣れない雑草も生えていた。近所の雑木林でよく見るノブドウ。それにどう見てもアオジソ(大葉)のような草まであったので、試しに食ってみたらそうだった。今度刺身に巻いてワサビ醤油で食べてみるか。
今まで雑草とひとくくりにしていたが、亜熱帯のような陽気のせいか庭の植生が変わってきているようだ。庭木が落としたイヌシデやカキノキの種まで芽吹いている。隣の家からメダケ(女竹)まで侵略してきた。だんだん家が朽ちてきたので、そろそろこの庭も森に還るのだろうか。とはいえ最近あまりに暑苦し過ぎるのでそれはそれでアリかな? と思ってしまう私であった。