ようやく仕事に慣れ、週末にあちこち出かける余裕ができた。なので今日はヴァイオリンの先生と一緒に東京北の丸公園の科学技術館でやっている弦楽器フェアに行ってきた。
今日は私の都合で休んだ日の振り替えで午前中のレッスン。練習不足でヴァイオリンよりも私の体が悲鳴を上げて散々だった。雑談していたら先生が予定していた午後の用事がなくなったとのこと。先生の知り合いの楽器商の方が出店しているとのことで、行きたいけれど風邪気味で電車だと無理かなぁという話に。私は最初からフェアに行くつもりだったので、だったらついでにクルマ出しますんで行きませんかと誘い、一緒に行くことに。
首都高飛ばして会場に着くと楽器商の方と入口で待ち合わせ、招待券(タダ券)をもらい会場に。昼過ぎに着いた上、平日なので人はまばらだけれど、弦楽器がずらりと並んでいるのは壮観。でも今回は先生と一緒なのもあって、写真を撮れなかった。
会場を早足で回っていると、イタリア・クレモナ参加の海外ブースで外国人からいきなり声をかけられる。なんと先生の旧知の楽器製作者。うわ、顔広っ、英語で話してるよスゲーと、先生を羨望の眼差して見つめてしまった。
実はこのステファノ・トラブッキ(Stefano Trabucchi)さん、一昨年行った弦楽器フェアでとても印象に残る楽器を作っている方だった。木目が斜めに走る楽器は炎をイメージしているそうで、トラブッキさんは「Crazy」と言っていた。カタログ写真ではわかりにくいが、深い艶の奥にメラメラと燃えるようなオレンジが輝いている。これを見て触れるだけでも、行った価値はあるんじゃないだろうか。とても欲しいけれど怖くて値段は聞けなかった。
実は私、Trabucchiを「虎ブッチ」と読んでたのだが、先生に言ったら笑われた。というか虎杢(とらもく)と言われる高級ヴァイオリンのイメージで覚えてしまったので。とにかく気さくで笑顔の素敵な人。個性的でありながら丁寧な仕事をしたヴァイオリンは必見。
入場券を頂いた楽器商さんのところ(カーサ デラ ムジカ)は商売っ気がなくて面白いブース。オールドの楽器が展示板にぶら下げてあるのだけれど、これが押しピンを刺したところにヒモで引っ掛けて留めてある。10万以下のフレンチやジャーマンと一緒に、よく見ると「11,800,000」という値札がついたものすごく古そうな楽器も。先生が冗談めかして「1万1千8百円?」などと言っていたが、一千万超えの楽器があまりに適当にぶら下げてあって大笑い。
もちろんヴァイオリンは買えないけれど、ネクタイピンと譜面台が格安で売っていたので買ってきてしまった。なぜかオマケにパスタ(リガティーニ)を頂いて、「中が中空になっててトマトソースが絡んで最高ですよ」と言われた。先述のトラブッキさんからもチョコをもらったりと、先生と行くと色々すごい。
そんなことがあったものだから一番の目当てのヴィオラ演奏会は忘れていて、途中で入って15分だけ聞いて出てしまった。でも先生のおかげで充実した弦楽器フェアを堪能できた。他にもカーボングラファイト製のヴァイオリン(プリマ楽器)とかマイミュートの試奏とか、ヴィオラ演奏会の様子など色々興味深いこともあったのだが、今日はここまでで時間切れ。