昨日、ちょっと暖かかったのでぬこを洗った。メスのスコティッシュフォールドのマリを。

 とにかく臭い。このぬこは自分でほとんど手入れをしないので、あり得ないほど汚れている。手でちょっと触ると「べとっ」とする。毛を掻くと何かガビガビしたものが絡まっている。触ったあとに手を嗅ぐと動物臭がする。直接持って嗅ぐとウ●コ臭い。50センチ近づけると臭うので、野生の動物の方がもうちょっとマシなんじゃないかと思う。

 ウチに来た当初、捨て猫でありながらクラシック・ブラウン・タビー(セピア色の縞模様)の高級感あふれる毛並みと垂れた耳、丸い姿と大きな目で愛らしさを振りまいて近所でも人気者だった。それがウチのようなビンボーな家に何年も暮らし、子供を6匹も生むと、ここまでビンボったらしい生き物に変貌するものか。おかげで今や家族にも見向きもされない状態。私が持って歩くとウ●コのように忌み嫌われる。

 元々スコティッシュフォールドは「静かな自信家」とフォーグル博士の「CATS」という本に書いてあるほど、独りでいることが好きであまり干渉を好まない。ヒザに抱かれるのも嫌うぐらいだから、案外周りが近づかない方が気楽なのかもしれない。だが家の中にこんなウ●コ生物が歩いているのに、鈍感な家族が気にしなくても私が耐えられない。冬場は風邪をこじらすといけないので洗うのを我慢していたのだが、もう限界だ。

 で、ぬこを飼ったことがある人ならわかると思うが、だいたい水を嫌う。普段何もしないくせに、嫌なことには全力を傾けて逃げる生き物なので、その抵抗といったらすごい。ニャーニャー叫ぶのを取り押さえて洗面器の湯に漬けてみると、みるみるうちに茶色く濁る。なんだこれは。透明度は味噌汁以上。換気扇を洗っている気分になってきた。30分ぐらい漂白剤につけてから、洗濯ネットに入れて洗濯機で回したくなってきた。

 4回目のシャンプーでようやく水が濁らなくなってきた。ここでようやく顔を洗い始める。両サイドから攻めて、最後に顔を直接グシグシしながらシャワー攻撃。暴れる。毛が濡れると顔の面積が半分になった。宇宙人のグレイのようで怖い。

 そしてここで休憩。とりあえずぬこを洗面器の湯につけておく。ぬこも疲れたのかグダッとして、洗面器のフチに足をかけて息を切らしている。

 6回目のシャンプーでやっと臭いがしなくなってきた。と思ったら何か臭い。臭ったのは口の方だった。こちらはどうしようもないので、ここでようやく本格すすぎに入る。すすぐとまだガビガビが残っている。もうこれ以上洗うと、ぬこも私も体力の限界なのであきらめた。

 ぬこ用タオルで拭き取るが、元々寒冷地のぬこなので毛の密度がある分、吸水性がすごい。なかなか水気が取れない。ぬこも最後の抵抗を試みる。じっとしていないからなおさら拭き取れない。結局ハンドタオル2本とバスタオル1本を犠牲にした。

 ハリネズミのような状態で風呂から出し、ファンヒーターの前に置いて乾燥。しばらくするとだんだん元の状態に膨らんできた。乾いた色になると毛の模様がはっきりと浮かび上がってきた。こんな色だっけ? と思うほど汚れていたのか…

追記:写真追加しますた。

追々記:再現図追加しますた。

「猫洗い弁天」に4件のコメントがあります
  1. before はないので after だけ今撮りました。ついでにブラッシングしてみると…何ということでしょう! そこにテニスボール大の毛玉が現れたのです(ナレーション:加藤みどり)

  2. トップの子はメイ(♀)です。ふと後ろを振り返ると、そのメイは私の枕の上で丸くなっているし。他にも2匹いますよ(計4匹)。

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