今日、ホームセンターでシールを買ってきて、弓に目印をつけた。毛の1/2と1/3と1/4の所。
ヴァイオリンの弓について見たこともない人もいると思うので簡単に説明。弓は火で炙って反らしてバネのようにした棹(さお:木の棒)に馬の毛が何十本も張ってある。これを手元の金具のネジを回してピンと張り、松脂(まつやに:ヴァイオリン用に調合した半透明の固形物)を擦りつけてある。ちなみにチェロやコントラバス、ヴィオラですら弓はそれぞれ違うものを使う。元々は矢を射るための弓と同じ構造だったらしいが、弾き易さを追求して今の形になったということだ。
あと値段は材質とか年代とか製作者とかでランク付けされている。私の持っているものは高くても2万以下の安物ばかりだけれど、高いものになるとン百万の世界になる。もちろん値段が高ければ弾き易さが断然良くなるのだが、楽器との相性とかもあるらしいのでなかなかあなどれない。
ついでに脱線するが、こないだ発表会の際にヴァイオリンの先生の所へ出入りしている楽器商の人にヴァイオリンの道具について面白い話を聞いた。
「やっぱり本体はイタリア、弓はフランス、弦はオーストリア、ケースはドイツですね」
最近は中国製もあなどれない品質になっているので一概にそうとも言えないだろうけど、古くからヴァイオリンを扱っている人はこれが常識みたい。あと弓は楽器の半分の値段のを使うのがこれまた「常識」らしく、楽器が100万なら弓は50万とか。そういう人たちの言いなりで買ったら数百万になっちゃうよね。
もう一つ聞いたのが、ヨーロッパの法律では35%以上を本国で加工したら「本国製」と名乗って良いらしい。つまり中国で60%以上加工して半製品で輸入し、あとの仕上げをイタリアでやればイタリア製のラベル貼って売れるみたい。なんか納得いかない気がしないでもないけど、最近はそういうお値打ち価格のイタリアンもあるそうで。というかその仕上げ次第で音色がイタリアにもフランスにもドイツにもなるらしい。以前アントニオさんも「同じ材料使ってもイタリア人が作ると何故かイタリアの音になる」みたいなことを言ってたのでそうなんだろう。多分。ちなみにイタリア100%手工品の新作楽器は最低でも80万ぐらい。私には縁のない話。
…で、話を戻す。私は弓なんてただ横に振ってギコギコすればいいものだと思っていたのだが、最近になってその難しさがわかってきた。音色向上のために最近はひたすら音階と開放弦ばかり練習している。あと先生に習うまでは全く意識していなかったのだが、弓の使う量の配分も大事と習ってシールを貼られた。先生が貼ったのが剥がれてきたついでに、他の弓にも同様に貼ってみた。これでさらにスラーの4分音符をきっちりと等分して弾けるように練習中。何かまた一歩目標が遠ざかった気がする…
本当は目印とかつけるのはカッコ悪いのでやりたくないんだけどね。音色のためなら仕方ない。でも指板にシールを貼られるのは拒否したけど。先生ごめんなさい。アレだけは私の美意識が許さないんです。