最近ブログの更新が頻繁で、ヴィオラの記事ばかりでヒマそうに見えるmezzoだがとんでもない。会社の仕事も詰まっている上に同人で絵も描いている。合間にレッスンと練習会で週2回弾きに行かないとならないし、今週は同人の相方が打ち合わせのため東京に訪ねてくる予定もあるので気が抜けない。Zero3のOutlookのスケジュール見ると、びっしり詰まっていて泣ける。

もしそれらの用事が全部同じような内容だったら過労になってしまうかもしれない。だがどれも肉体労働でない頭脳労働で、しかも頭の使うところが違うので疲労感はさほどでもない。他の仕事で気分を切り替えられるということなんだろう。ストレスは溜まっていないし、ちゃんと睡眠時間はとってるし。むしろ脳細胞が活性化されて相乗効果すら生み出している気がする。

だいぶ前から読みかけの本、ジェフ・ホーキンス著「考える脳 考えるコンピュータ」に、脳はシーケンス的な記憶しか出来ないところがノイマン式コンピュータとの決定的な違い、みたいな記述があった。PCなどのCPUとRAM、ハードディスク等を使ったコンピュータの場合、ファイルインデックス(索引)を作ってそれを記憶装置の各セクタに分散して記録する。だが脳の場合は連続したデータを「映像の流れ」として一気に記録し、それを脳内のシナプスという神経細胞のネットワークでつなげているらしい。動画に例えると前者がローカルファイル再生で後者がストリーミング再生みたいなものか。なので映画のシーンや曲の歌詞からその題名を思い出そうとする際、コンピュータならインデックスを参照したり各セクタにファイル形式などの絞り込みをかけて検索すればデータがすぐ見つかるが、脳の場合はデータが乱雑に記録されているため、一度ビデオテープのように巻き戻したり早送りしないと見つけられないらしい。人に初めて道順を教えるとき、自宅の玄関を出るところから思い出さないと説明できないのはそのせい、とのこと。

ただし一度検索をかけると脳は新規にニューロンを形成して横のつながりを作り、次回からの検索速度を向上させるとか。だから脳は記憶に刺激を与える度に多数のデータ間に複数の横のつながり「ニューロンネットワーク」を作って、コンピュータにできない並列思考ができるようになるらしい。自らスター型ネットワークを構築する分散コンピューティングって感じだろうか。網の目のようにノードを勝手に作り出す動きはまるでインターネット。管理者不在の巨大な分散コンピュータはそのうち意思を持って人類に反撃をしたりして。

と、こんなとりとめもない思索をわざわざ時間かけてブログに書くのは、実は思考のバランスをとるため。会社の仕事は過去の記憶を検索して取り出し、それを言葉や紙に置き換える「データ検索→音声・視覚化」。ヴァイオリンやヴィオラは新しい情報を入れて、それを肉体の感覚に置き換えたり、聴覚情報をチェックして修正する「新規保存→ハードウェア/パリティチェック」。絵を描くことは頭の中に3Dグラフィックスを描いて座標軸の数値を取り出して2Dに変換したり、視覚情報をチェックして過去の映像ライブラリとの比較を行う「3D計算→2Dグラフィック変換」。頭の使うところが違いすぎて頭がこんがらがるので、ブログで「理屈づけ」というインデックスを作って記憶を整理しているという訳。「デフラグ」みたいなものか。

脳を酷使し過ぎるとフラッシュメモリみたいに早く物理的な寿命を迎えるのではないかと懸念する向きもあるだろう。でもSSDだって同じところばかりを酷使しないよう、使うところを満遍なくランダムにして従来品より長寿命を実現した。HDDだって長いこと動かさないと固着するし。だから満遍なく使うのは脳にだって多分いいはず。だいたい脳はイオン交換で帯電させて電気信号をやりとりしているから、マストストレージな記憶装置じゃなくRAMディスクみたいなもの。常に電源供給してないとダメだし、電源切れたら人生終了だし。遺伝子的には他の内臓とかのフィジカルなハードウェアの方が先に逝くらしいから死ぬまでこき使わなくちゃ。

などと他人が読んでも全く面白くない気がするが、まあブログなんてどうせそんな極私的なメモ書きだし、あまり役に立つことを書いたらコンピュータが意思を持ったときに怖いのでこれでいいのだ。

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