キンツボ・ボーカルジャム

ひさびさ連休になったのでイトコの店「キンのツボ」へ行こうとサイトの演奏スケジュールを確認。もう1人、ベーシストのイトコが出演する日を確認し、昨日SRXで世田谷用賀まで下道で片道1時間かけて行ってきた。

場所は東急田園都市線の用賀駅から高速の高架のある方と逆方向に進んで徒歩1分ぐらいのところ。地下の店なので微妙にわかりにくいが、「ジャズ」などと書いてある赤ちょうちんがぶら下がっているのは日本国内でもここぐらいだと思うので、それを目指せば間違えないだろう。

セッションが始まる30分前に到着してイトコ2名と挨拶。ベース弾きのイトコとは数年ぶりだが「おー、あいかわらずでかいなー」と腹の出っ張りを指摘される。基本的にウチの家系は言葉をオブラートに包まない。他人が聞くと鋭く突き刺すような言葉を無意識に吐くことがあるが、本人は悪気がない上に聞き手も鈍感なのでさして気にしない。なので端から見ると毒舌トークになっていたりする。一応他人がいればそれなりに気をつけるけどね。

この日はお客さんがボーカルをする「ボーカルジャムセッション」の日。いわゆる生演奏のカラオケなのだが、お客さんの気合いの入り方がすごい。イトコの店長によると「別にポップスでもなんでもOK」ということなのだが、今日の女性客は常連さんらしく譜面も持参で難しいジャズのスタンダードナンバーを熱唱。で、これまた妙に上手い。キーやらテンポやらも細かくバンドに指定している方もいて、それぞれ個性も豊か。手書きの譜面まで用意していたから、相当研究熱心なんだろう。最近のアマチュア恐るべし。ニューヨーク在住の長かったベーシストのイトコも「日本はアマチュアとプロの差が狭いんだよね」なんて言ってたし。

実は私も歌詞だけはネットで探して持ってきていた。客が少なくて盛り上がらなかった時を考えて、場つなぎで歌おうかと思っていたのだ。でもそんなのは全く杞憂で、というかむしろ場違いなほど皆さん気合いが入りまくり。どうやら定期的にここで開かれる英語教室の生徒さんたちの発表の場となっているようだ。

じゃあ私がしゃしゃり出ることもないな、と思っていたらベーシストのイトコに「おう、歌おうぜ」とせかされて結局1曲歌うことに。用意したのは You’d be so nice to come home to というジャズのスタンダードだが、実はちゃんと歌ったことがない。「キーは?」と言われてもわからないのでピアニストの人に歌い出しを聞かせてキーとテンポを決めてもらってぶっつけ本番。自分じゃ自分の声がどう聞こえているかわからないけれど、トリオの演奏にぐいぐい引っ張られたのでマシに歌えた気がする。イトコ2人に「まあ良かったジャン」と言われたので音は外してなかったみたい。とりあえず自分の声域がGマイナー(B♭)ってことは覚えておこう。

お客さんのレベルも高い上、演奏がとてつもなく職人芸なので歌わない人も十分楽しめる。その場で譜面渡されてもすぐ弾けるモノホン(本物)のジャズメンばかり。間奏とかも超クール。ピアニストの田山勝美は歌の合間にテンションコードをここぞ、ってところで気持ちよく挟んでくるし、ソロになるとピアノが軽やかなペダルワークで歌う歌う。猫背になって前屈みに紡ぎだすアドリブフレーズが古き良きスタンダードジャズのエッセンスを凝縮している感じでたまらん。

ドラマーは女の子で名前は出していないんだけど、ベテラン2人に引けを取らないいいフレーズを叩いていた。指示がなくても曲調に合わせてブラシやリムショットを使い分けてたし、ボサノバっぽい変拍子も。最後にドラム叩きながらボーカルまで演ったんだけど、低めのアンニュイな声とソロドラムがカッコよかった。ハイハットクラッシュのあとサッと手で押さえて歌いだす前に音を止めるとか、ボーカルに特化したシンバルワークは職人の域。

お客さんのジャムセッションの合間に1曲店員の女の子がエプロン外して歌ったんだけど、これまた小柄なのに声量がすごい。テクニックとかもちろんあるんだけど、なんか大柄の黒人女性ボーカリストが憑依してるんじゃないかしら、って感じ。今度CD出すんだって。やっぱりね、プロになれる人って凡人がいくらトレーニングしてもたどり着けないプラスアルファを持っているから。実はこの店、店員もミュージシャンで、たまにセッションとかも開いてるみたい。でも歌い終わって「みなさん、焼き鳥注文してくださーい」とエプロンつけて気さくな明るい店員に戻るところがまたすごい。いやあ、プロですなぁ。

えーと、そんなことよりイトコのベーシスト、谷克己はどうだって? 演奏中、飲み過ぎ(笑)。ていうか飲み過ぎでソロ弾き忘れるなって。でもこの人は予測不能な不思議なベースラインを弾くんだよね。気合い入るとどんどんハイポジションで弾くの相変わらずだし…と、あまり変なこと書くと仕事減るからこのくらいにしとこう(笑)

イトコと代わる代わる家族の近況とか、音楽についての話をしながら飲み食い。飲めない私はずっとノンアルコールビールだが、イトコ2名は飲む飲む。というか店長、ブログでハイボールが流行なのはサントリーに踊らされてるって批判してたのに自分が一番飲んでるジャン。つうかベーシストも店の酒飲み過ぎだ。まあこっちは飲めない分、食いまくったけど。

写真を撮り忘れたけど、ここの焼き鳥は身の柔らかさと締まりが絶妙なバランスで旨いっ。私のお気に入りはぽんじり。塩焼きに辛味噌つけて食べるとこれまたたまらん。カーッ、ハイボールと一緒にグイッと飲ると旨いんだけどなぁ…今、それやると翌朝天井回って地獄なのでできないのが悲しい。結局、焼鳥丼(温玉からめてウマー)も食ったので、20本分ぐらい食った。会計の時「えー、オマケしてもこんな値段になっちゃったよ?」と店長も驚いていた。だってこの日はおにぎり2個食っただけで、本気で食いに行ったからね。

身内の店っていうのを差し引いてもここは居心地のいい店。演奏中に体を揺らそうがガチャガチャ食器が鳴ろうが雑談しようがOKというコンセプトなので、注文だって気軽にできる。この手の店にありそうな「内輪で盛り上がってて一見さんが疎外感を受ける」なんてこともないし。焼き鳥の香りと心地よい音に包まれながら「ああ、人間って音楽と旨いもんさえあれば幸せだよだなぁ」としみじみ思ってしまった。

でも0時前の都内をバイクで1時間走って帰宅したら手足の感覚がマヒ状態に。風呂で暖めたら感覚が戻って激痛があふああぁっ…ふひゅう、地獄だ…今度行く時は暖かくなってからにしよう。

「キンツボ・ボーカルジャム」への2件のフィードバック

  1.  なんか良さげですね。音楽分からないけど楽しそう。

     アタシは今日ワンフェスへ行ってきました。カルさんにも久しぶりに会いましたよ。

  2. 理屈こねてるばかりなので説得力ないですが音楽は楽しく感じてナンボですよ。
    ワンフェスいいですねぇ。
    第1回の公民館規模のワンフェス以来行ってませんが、
    最近は規模もでかくて模型に興味なくても面白そうですよね。
    次回はぜひお誘いくださいな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)