ある本を読んでいたら故・筑紫哲也氏の文に「跛行性」という言葉が出てきた。足偏に皮とあるが何と読むのだろうか? ひ? び? きびす? というか意味もわからない。ン十年日本人やってても知らない言葉が出てくるのは恥ずかしい。というか人間、恥ずかしいと思わなくなったら劣化の始まりだと私は思うけどね。

PCを開いてIMEの手書き入力で調べようと思ったらそれがない。Windows 7 にはないのか? と思ったらそういえば私のPCにはGoogle日本語入力を入れてあるんだった。Googleが膨大な検索結果のデータを元に作った無料の日本語入力辞書だ。お試しで入れてみたら有名人の人名に強くサジェスト機能(最初の数文字で入力候補を並べるケータイの文字入力機能)が秀逸で文字入力が断然ラク。なので使っているPC全部に入れて愛用している。

しかしこの日本語入力、どうやら Microsoft IME に標準で付いていた「手書き入力」がないらしい。取り急ぎ言葉の意味を知りたかったので「足偏 皮」でググってみて事無きを得たがこれでは不便だ。なんかモヤモヤするのでさらにググってみたらどうやらGoogle日本語入力は手書きをサポートしていないらしい。これは困った。

と、思ったら開発版で手書き入力をサポートしたとのこと。不具合が起こるかもしれないけど責任取らないよ、裏で入力データも盗み見しちゃうよ的な同意文にチェックを入れてインストールしてみた。

Google日本語入力下の「開発版をダウンロード」からインストール。

マウスで「跛」と書いてみたら結果はご覧の通り。多少認識が甘い気もするが十分実用レベル。いやいや足偏間違えて書いても認識してるからむしろ優秀? どうなることやらと思ったが、これでまた戦える。

ただし賢すぎる辞書は時として危険。「出てきたからそのまま使っちゃえ」などと安易に使うと文章が画一化して無個性になったり、手じゃ書けない漢字を多用して文章が中二病化しやすい。テクノロジーに頼りすぎると人間が堕落するというテーマはSFでさんざんやり尽くしているけれどね。

蛇足ではあるがちなみに「跛行性」とは「はこうせい」と読み、同時進行の事案の片方が足を引っ張って全体の進みが悪くなる「びっこを引くような状態」らしい。「びっこ」って書くとどこぞの団体が「差別用語だ!」と揚げ足を取るらしいのでマスコミじゃよく使う言葉みたい。日本語って難しいなぁ・・・などとPC設定に足を取られていたら本の続きを読み忘れていた。地に足がついてないなぁ。

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