最近、ヴィオラとヴァイオリンを半々で弾いているが、ヴィオラはすごく疲れる。ニ長調で弾くC線の3指、つまり左の薬指で#ファを弾くのがツライ。左手から見ると一番奥の弦を押さえるので、ヴァイオリンでもツライところをさらに指を拡げて伸ばさないと届かない。だから指の位置がズレて音程も狂う。指が引きつる。変に力が入って肩や背中まで痛くなってくる。おかげで最近は上半身が常に筋肉痛だ。

だが慣れとはすごい。職場でのビブラ棒トレーニングと、湯船に浸かりながらのストレッチの成果でさらに遠いC線の4指、小指でソを押さえるのもそんなに苦ではなくなってきた。以前は楽器を持って音階を弾いたら3分と持たず上半身がビキビキしていたのに、ゆっくりのペースなら連続10分ぐらいは弾けるようになっているし。

だが、依然として改善しないのは音質。右手のボウイングがヘボなので5回に1回ぐらいは「グキッ」って音が裏返る。特に低音弦では顕著だ。鳴らしているはずの音とは全く違う高音になるので合奏では致命的だ。左手をネックに添えるだけにして右手だけで開放弦を鳴らす練習をしてみるも、疲れてくるとまた「ビキッ」とか「キヒャー」という音が出る。楽器を投げ出してしまいたくなるほどの怪音波。

ヴィオラはヴァイオリンに比べ弦が太い。その分、弓との接地面積が広いため摩擦抵抗が大きい。しっかりと弾かないとかすれてすぐに「ヒヒャー」と藤子不二雄(A)キャラの悲鳴のような音が出る。だが力任せに弾くと今度は「ボーッ」とか「ゴワーッ」とうなり始める。下手すると弦が指板に叩きつけられてビリビリと響く。低周波治療器かっ。

それでも何とか慣れてそれなりの音になってきたが、やはり変な音がたまに出る。で、ふと思い出した。諏訪楽器の女の子はこんなことを言っていたじゃないか。「弓は別のものを買ったほうがいいです」って。

ヴィオラ用の弓は見た目フロッグにRがついているぐらいでヴァイオリン用と変わらない。しかしヴァイオリン用を使うと毛がすぐにダメになるそうだ。弓の毛の量やスティックの重量配分などが微妙に異なり、ヴァイオリン用に比べ5~10g程度重いらしい。だがこのヴィオラについていた弓はヴァイオリン用より軽い。ダメじゃん。いや待てよ、そんな重い弓を持っていたことを思い出した。以前なんとなく衝動買いした5,000円のカーボン弓があったじゃないかっ。

カーボングラファイト製の弓がプロの間でも好評と聞き試したくなったのだが、それなりのものは下手な木製より高い。なので前にヤフオクで格安なのを見つけて買ってみたのだが微妙に太く大ぶり。重くて使い辛かったので最近は放ったままだった。試しに今回ヴィオラに使ってみたら、おお、なんか弾きやすいぞっ。ヴァイオリンを弾くぐらいの力で、とは行かないが弓の重みでしっかり弦に吸い付く。元々弓の毛も多めだったので、長さがちょっと長い以外はヴィオラ用にピッタリじゃないの。

まあ無駄遣いもたまには役に立つものだ。というか「そんな散財しているからマトモな弓を買えないんじゃない?」というツッコミは無しの方向で。

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