大型も持っているこれといって忙いわけではなかったのだが、なんだか忙かった。実は昨年、教習所に通って大型自動二輪免許を取得。つまり「限定解除」していた。

私が中型自動二輪免許(現・普通自動二輪免許)を取得した頃はナナハン(750cc)に乗るのに運転免許試験場で「限定解除」しなければならなかった。だが元交通機動隊のOBが試験官なので、合格のハードルがものすごく高く、数回落ちるのは当たり前。私は大型自動車免許(大型トラックの方)を試験場で取得したが、8回目でようやく受かったぐらい。

大体、試験場でバイクの検定に使われるのは乗りこなすのが難しいという伝説のCB750K。結局その頃は試験を受けなかったし、白バイに捕まってばかりいた私なので全く受かる気がしなかった。

結構前から大型二輪も教習所で取れるようになったのだが、なかなか通う踏ん切りがつかなかった。以前のように平日に試験場に通えるほどヒマじゃないし、かといって教習所は教習代が高い。もう400ccで十分パワーあるし「もう、いいかな?」とまで思っていた。

セミの腹みたいしかし友人のもっちゃんがいつの間にか大型二輪を取得。こっちがCB400SFで悪戦苦闘しているのに、V-stromでシフトチェンジもしないで簡単に峠をすり抜けているのを見ていたらフツフツと体の中から何かが弾け始めてきた。

気になりだしたら決断は早い。通勤時間の合間にスマホで会社帰りに通える所を探したらちょうどキャンペーンで2万円引きをしている所があったので、駅前から出ている無料送迎バスに乗って早速申し込んできた。これが去年の10月。

教習コースほとんど手付かずだった夏のボーナスで教習費を一括払い。その週末に初回の適正検査を受け、すぐキャンセル待ちして教習開始。学生で混んでいる時期だったが、予約はインターネットでできるため1日3回以上は教習所のサイトにアクセスして争奪戦。多い時には週2教習を入れ、会社帰りに通ったり、週末にも朝イチで行ってキャンセル待ち。バイクで走るには寒くなり始めていたが、教習中は使わない筋肉使ったり、冷や汗が出たりで汗だくになった。

検定コースがまったく覚えられず、もらったコース図をスキャンしてPDFを作成。ネットで検索したりもっちゃんにコツを聞いたりして、通勤時間はスマホに入れたPDFをなぞってイメトレ。教習車のNC750(とても乗りやすい)にコツコツ乗り続け、2ヶ月で規定の10時限をオーバーせず修了。

書類が多い卒検は苦手な一本橋で8.9秒(規定は10秒以上)で減点され、こりゃ落ちたなと思っていたらそれ以外の法規走行がしっかりしていたらしく、一発合格。その週に早速有休を取って試験場で待たされまくって丸1日かけて免許発行。でも免許証に「大自ニ」と記載されただけ。苦労して取った割にあっけない。

大型二輪免許取得のコツについてはあちこちのサイトが詳しいのでここでは書かないが、教習所に通ってよかったと思ったことを一言二言。

18で普通自動車の免許を取り、20で自動二輪、28で大型自動車の免許も取得。バイクはン十年乗り続け、大型トラックで中・長距離も走っていたし、フォークリフトや高所作業車、クローラー式の電動車も乗りこなしたぐらいだから運転にはそれなりの自信はあった。

しかし教習所に行くと反省させられる事が多々あった。特に車線変更の目視確認が疎かになっていた所。実際大型トラックでもそれで事故ったことがあるし。苦労して教習所や試験に通った頃からン十年経ち、交通安全の意識が薄らぎつつあったようだ。さらに若い時にできた事ができず、体の衰えにも気付かされた。

私よりも年下の指導員もいたと思うが、なるべく謙虚に言われたことを受け止めるようにした。素直に聞いたおかげで学ぶことがたくさんあった。指導員に課題を与えられる度に初めて二輪に乗った時の難しさや戸惑いの記憶が甦り、それを新鮮に感じた。自分を過信していたこの時期に教習所に通ったのはいいタイミングだったかもしれない。

昔は怒鳴ったりどついたりする指導員ばかりだったが、今そんな人がいたら教習所が潰れてしまうので、サービス業になってしまっている所も多いと聞く。道理であちこちでハンドルを握っちゃいけない奴が多いわけだ。

しかし私が学んだ教習所は言葉遣いは優しくても「何故だと思います?」と、運転の危険性について生徒に考えさせる指導をしてくれた。私がある程度乗れると知って「私の後ろをついてきてみてください」と、わざとジムカーナのような走りをして技量の差を見せつけたり。ちょっとのことでもできるようになるまで何度もやらされた。

後で知ったのだが卒業者の交通事故者率が都内でもかなり低い教習所だったのはラッキーだった。やかましく言われたことで防げる事故もあるのだから、やはり教習所は少しぐらい厳しい方がいい。教習所名は各自治体のホームページで公開されているので、免許をこれから取ろうとする人は参考にするといいと思う。

なんだこれはそんなこんなでようやくン十年の悲願を達成したが、免許証に「大自ニ」と記載されただけで全然実感が沸かない。やはり憧れの大型バイクに跨がらないと取得した苦労が報われないのだろうか。しかし教習費用でなけなしの貯金もはたいてしまったし、新しいバイクなど買えるわけが・・・

・・・ん?

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