免許を取るとクルマが欲しくなる。18で免許を取った時は中古のスバル・レオーネ エステートバン4WDを買った(1年で壊して廃車にしたが)。20で二輪の免許を取った時もすぐジャンク屋でヤマハSR250を買った。28で大型を取った時は・・・いや、別にあの時は乗れないといつまでも荷積みばかりやらされて必死だったから。
さて、大型バイクの教習時、指導員に「免許取ったら何に乗ります?」と聞かれて、何も答えられなかった私。さすがに「大きけりゃ何でもいいです」とは言えなかった。
私がバイクに求めてるものって何だろう。速さか。パワーか。カッコよさか。ステイタスか。実は何も考えていない。CB400スーパーフォアを選んだときだってそうだった、前に乗っていたヤマハSRX400の車検が近づき、サスやらダンパーがヘタって修理にお金がだいぶかかりそうで、壊れなさそうな安いのがたまたまそこにあったからスーフォアを選んだだけ。要はまたがって走れば何でもいいのだ。たとえそれが馬であろうとも(維持費がとてつもなくかかるから乗らないけれど)。
以前に私のバイク遍歴について書いたが、見返すと節操がない。2ストあり、レーサーレプリカありアメリカンあり、単気筒・2気筒、4気筒あり(3気筒・6気筒はプレミアがあって高価だから乗れない)。
私のバイクを選ぶ基準。それは「値段が安い」という貧乏性な理由しかない。
そんなわけで免許を取ってからというもの、スマホで検索しては安い出物を探す毎日。以前は古いバイクのメンテでパーツに苦労し散財しまくったから、なるべく年式は新しいもの。そしてせっかく大型取ったんだからリッターバイク(この辺が貧乏性)。そういえばヤマハとホンダを交互に乗ってスズキとカワサキに乗ったことないなー、などとニヤニヤしながら通勤時間にスマホを眺めてヨダレを垂らした。
以前スーフォアをはとやで買って、2年間FMP(フリー・メンテナンス・プログラム)で維持費が安くついたから、やっぱり次もはとやで買おうかと思い直接足を運んで物色。候補は見つかっても「これだ!」と思う決め手がない。
別の支店にあったスズキのGSXが気になり、スーフォアに乗って川越に。すると以前スーフォアを買った時の店長がなぜかこちらの店長に。予算を伝えて奥から引っ張り出されたのがこのヤマハXJR1300。空冷エンジンのバイクらしいバイク。形はとても好き。またいでみると、何とか足は着く。ビキニカウルは高速走行でラクそうだ。2001年式とちょっと古く車検も切れていたが、店長がスーフォア買った時と同じ人というのも縁を感じた。即決。その場ですぐ契約した。
スーフォアを下取り査定してもらったら、期待していなかったのに18万。どうやら人気があるらしい。エンジンはガンガン回して絶好調だし、しょっちゅう磨いているし。ただタイヤが前後、もうスリップサインが出始めているところだけマイナス。車検整備費・登録費足して総額60万近くなったけれど、残りの40万は半分ローン、半分を冬に出たボーナスを使って契約。年内に納車となった。
そして引取り当日。スーフォアにはご苦労様の意味をこめて最後のワックスがけをして、ガソリンも満タンに。
はとやに着いてスーフォアからETCを外してXJRに付け替えてもらい、納車時にXJRの説明を受ける。知らなかったけれどイモビ(盗難防止警報装置)がついていた。ヨシムラのデジタルマルチメーターもついている。ブレーキはステンメッシュ、ハンドルはアルミに換装、ハンドルブレースもついている。ウィンカーはクリヤーレンズ。買ったあとに気づいたカスタム多数。後から気づく私のバイク選びのいい加減さ。
ETCはそのままでも使えなくはないらしいが、セットアップは与野店に行かないとできないと言われ、慣らし走行がてら与野へ。初めてのリッターバイクに店長から「パワーがあるので、気をつけてください」と言われ恐る恐るスロットルをひねった。
「・・・!」
狭い教習所内で乗ったNC750とは全く違う重量感とトルク感。スロットルを開ける度にGがかかるのに、回転はさして上がらない。リッターバイクって、こういうもんなの? こわいこわいッ。
週末の割と空いた国道16号で試しにスロットルを多めに開けてみた。
「・・・!!!」
首が後ろに持って行かれそうな加速が始まり、メーターが下道では出してはいけない桁を指していた。目が追いつかない。脇腹がつりそうになる。鼻水が出る。誰だッ! XJRは加速がマイルドで扱い易いってネットのレビューに書いたヤツ! こんなバイク、乗りこなせる気が全然しないッッ!(というかカスタム多数なのでフルパワー化しているのかも)
・・・とまあ、去年はこんな感じでリッターバイクの洗礼を受けてしまった私だが、未だ街乗りですら乗りこなせている気がしない。