禁断の駒削り

 現在3本のヴァイオリンをまんべんなく使おうと毎日取り替えて練習している。だが以前ヤフオクで落札したRAUMヴァイオリンは長年放置されていたらしいので、他の調整済みのものより弾きにくい。理由はわかっていて「指板下がり」と呼ばれる楽器の経年変化の反りのために弦高が大きくなっているから。指板と弦の間が空いている分、指で押さえるのに力がいるし、何よりフォームを変えたために隣の弦に接しやすくなってまるで弾けなくなってしまった。

 送料込み7,900円とはいえ、素性の良いヴァイオリン。長年ケースで眠らされていたのにまた眠らせておくのはもったいない。だが今は大きな買い物が待ち構えているので工房に持っていくお金がない。なので自分で駒を削ってみた。もし失敗したら諦めて工房に出せばいいし。

 まずは弦高の測定。ネットで基準値を調べ定規で測るとそれぞれ2ミリ程度高いことがわかった。弦を緩めて駒を外すが、中に入っている魂柱を倒すと大変なので慎重に。駒も魂柱も弦の突っ張りで支えているだけで、糊付けはしないものなのだ。

 外したらカッターナイフを使って目見当で弦の通る溝のところをV字に深く彫る。各々2ミリぐらい彫ったら今度は周囲を削って溝を浅くする。削って形が整ったらヤスリで仕上げ、溝も角が立たないように丸めて完成。ちょっとのつもりだったが結構削った。なお、以上は正しいやり方ではないと思うので真似しないように。

 ホコリを払って元の位置に戻すが、結構これが面倒臭い。立てる位置や角度が弦にテンションをかけるたびにズレるので、なんだかんだ削るときよりも時間がかかったかも。正しい位置は知識として知ってても、やってみると難しいものだ。

 さて、肝心の弾き心地だが全く別物の弾きやすさ。弦高が低くなった分、音色は前よりも張りがなくなったかも。E線に変なノイズが出たので位置を修正したら何とか解決。しばらく弾いたらなじんできてまあまあの音になった。だが自分のヴァイオリンの技術もあるだろうが楽器本来の音が鳴り切っていないような。「俺はまだこんなもんじゃねえ」っていう声が聞こえてきたような気がする。

 うん、楽器の声が聞こえてくるようになったら、いよいよ病気だな…

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