富山ったー(後編)

湿度が異様に高くて富山で眠れぬ夜を過ごした2日目。

初日に粗方作業が終わってしまったので、この日は細かなものの整理など。妹はペーパードライバーなのでクルマで遠出ができなかったため、買い物や不用品の処分、コインランドリーなどのために私が運転。今回は様々なところに行くのにHTC Evo のナビが役に立った。

まずは朝食を食べに氷見港の市場へ。前回行ったところで刺身定食を食べようとしたのだがなぜかこの日は10時開店の看板が。しまったあ、土日は市場が休みだから観光客向けに遅いのかぁ。着いたのが7時過ぎで2時間以上も待てない。妹にせかされてEvoでGoogle検索かけたが、日曜に早朝からやっている店はないらしい。仕方なくすぐ近くの道の駅へ行ってみることに。
  
氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館に着くとまだ観光客はほとんどいなかったが準備で慌しかった。キトキト(富山弁の「新鮮」)が売りの魚介類がズラッと並び壮観。1個600円の岩ガキを買ってその場で生食してみたり、職場への土産物などをここで済ませている内に併設の氷見うどん・池永亭が開店したのでそこで朝食。日祝祭日の朝限定のキトキト定食(900円)を頼んだらご飯少な目だけれどおかずが充実。カニの半身が入った味噌汁、焼きカマス、いかそうめんが旨いっ。私は普段滅多に魚を食わないが日本海に来たら食う人。土地のものを土地で食うゼイタク。
  
妹の氷見うどんも少し味見させてもらったが平打ちで細めの麺。そうめんとうどんのハイブリッドのようで、稲庭うどんとも似ていながらもパスタのフェットチーネを思わせる歯ごたえのある感じ。具はナルトが入っているのかと思いきや、富山のカマボコは渦を巻いてるとのこと。ゲフ、朝から満腹。
  
Evoのナビで3度目の正直なるか雨晴海岸へ(1回目:曇り2回目:小雨)。やはり富山は今日も曇っていた。ここ十数年以上海水浴には行っていないが、夏の湿り気を帯びた潮風の匂いでちょっとその気分になれた。防風林の松がマツボックリをつけたばかりで小さなパイナップルが鈴なりになっているよう(元々パイナップルの語源が松=Pineだが)。マツボックリは熟すと開き、硬い羽のついた種子が弾けてプロペラのように風で舞い飛ぶらしい。海に浮かぶ岩礁に生える松はその種子が飛んで根付いたのかな、と思いながら海岸を後に。
  
家電量販店やスーパーなど回って妹の買い物をした後はリサイクルショップやコインランドリーめぐり。引越しの準備はほとんど終えたので、気まぐれに床をモップがけしたり、持参したヴァイオリンで音階練習したり、富山ローカルのバラエティ番組を見たり、帰りの深夜運転に備えて仮眠したりとダラダラ過ごす。この夜は冷蔵庫の中身を処分するため、残り物やスーパーなどで買った惣菜で早めの夕食。ゴミや土産物などをクルマに詰め込み、夜10時前に富山出発。妹が「じゃーねー、気をつけてねー」と言ったので、私がナレーション風に「それが彼女を見た最後の姿だった」と言ったら「縁起でもないっ」と母に怒られた。

Evoの音声ナビをセットして高速インターに向かい街を離れる。どんどん明かりが少なくなっていったところで母がポツリとつぶやいた。「もう、富山に来ることもないかね・・・」と寂しそうに。

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