昨年は家を建てることで不安も多く、手続きも多くてフル回転。さらに最近会社の仕事が詰まりまくり。未だ部屋の片づけすら終わらない状態だが、ようやく気分的には落ち着いてきた。

だが長いストレスのあとには大体私はあんなことこんなことそんなこと、さらにこういうことまでしていた。そう、またまたまたまた、またやってしもうた。














 

なんだこりゃ

?!

 
なんかペグ(糸巻き)がやたら多いと思ったあなたは正しい。先日、ついうっかり6弦ヴィオラAliExpress で買ってしまった。日本へのEMS発送費込みで57,698円也(本体価格 $499)。

ぱっと見、ふつう前回の記事で書いた、届いた商品はこれ(商品ページリンク)。すでにヴァイオリン挺、サイレントヴァイオリン挺、ポシェットヴァイオリン挺、ヴィオラ挺、チェロと、も弦楽器を所有しているんだから、いい加減これ以上楽器は増やさないようにしようと思っていたのに、通算これでに。

でもこんなキワモノ楽器を見て、ガマンできるわけないじゃん。それもガンバでもダモーレでもない、こんな中途半端な楽器、私が買わずして誰が買うの? 買うしかないっしょ。

とはいえ中国の通販サイトから直接購入とか、自分でもアホとしか言いようがない。たまたま臨時収入があったからと言ったって、2か月分の食費ぐらいするし。だが結果から書かせてもらえれば、これは当たり。ムチャクチャいい楽器だった。やったねカトちゃん!

手元にあった Hericore に張り替え最初から張ってある弦はブランドすらもわからない中華製で、ウルフ音やビビり音で聞くに堪えないからすぐに外して容赦なく投げ捨て。というか元の弦は F-C-G-D-A-E の5度チューニングに調弦しようとしたらバッツンバッツン切れてしまったが。

アジャスタがしょぼくて動きが渋かったので分解してシリコングリス吹いたり、ペグにもヒルのコンポジションをグニグニ塗りたくってようやくマトモに調弦できる状態に。中華製はこんなの想定内。弦は全部一気に外してしまうと、胴内の魂柱が倒れたりしてしまうので、1本1本手持ちの Helicore に交換。弦数が多くて糸箱の中も大渋滞だから交換が大変。

一番低い弦のFはさすがに持っていないし、もともと張ってあった弦もFじゃないので致し方なくそのままCに調弦。取り急ぎ残りのC-G-D-A-Eを張って弾いてみた。

ワオ! 超、ええやん!!

付属のブラジルウッドの弓もちゃんとヴィオラ用の重さとコシのしっかりしたもの。だが何より音が大きく、そしてクリアに響く。倍音すげえ。うっひゃー、気持ちいぃぃッ!

Song Chung Musical Instrument Co.LTD きれいな虎杢 アジャスタは渋い

胴長は16インチで厚みも標準。指板は幅広だが弦の間隔は狭く、さらにネックも太いので弾きにくい。5弦目(C)は左右の弦との角度があまりついていないので、どうしても私のへべれけボウイングではどちらかに接して単音で弾けない。6弦の高さ(弦高)がかなりあるので、少し駒を削って低くしないとダメかもしれない。

高い方は1弦がEでヴァイオリンと同じだからヴァイオリン曲もイケそうな気もするが、第5ポジションから先がかなりキツイ。というか私は普通のヴィオラでも第5ポジションちゃんと弾けないけれど・・・

しかし楽器が大柄な割に重さをさほど感じない。15年屋外で乾燥したヨーロッパ産スプルースとメイプル材を使っていると商品説明にはあったが、まんざら嘘でもなさそう。とはいえ中国国内でも雲南省やチベットで品質のいいヴァイオリン材(雲杉と呼ばれるトウヒや、虎杢や鳥眼杢のカエデ)が採れるらしいので、ちゃんと乾燥の手間を惜しまなければ中国材でも問題ないと思う。

前述のようにアジャスタなど、ネジ山がいい加減な工作。だが本体は大きくアーチ状にゆったりと膨らみ、滑らかながらもエッジが感じられる丁寧な仕事。Web で検索しても製作者の Song Chung 氏の情報はなかなか出てこないが、かなりの腕だと思う。

いやー、ひさびさにいい買い物できたなぁと自己満足。とはいえこんな楽器を手に入れたはいいが、私は一体どこに向かおうとしているのだろう・・・

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